新甘味料 ~砂糖に代わる低カロリーの人工甘味料~

食品・サプリメント
It is an illustration of a Halloween sweets.

新甘味料とは  ~人工甘味料は危険?~

砂糖(ショ糖)の甘味は私達の食生活を楽しませてくれる味覚の一つです。
砂糖は炭水化物(糖質)の一種で、体内に摂取するとぶどう糖(グルコース)となり血糖値をあげエネルギー(4kcal/g)となります。
しかし、過剰に摂取すると、余分なエネルギーが中性脂肪となり、肥満や生活習慣病、糖尿病を引き起したり虫歯の原因ともなります。
そういったデメリットもあり、近年は甘味を残しながらも、砂糖の弊害を取り除いた、砂糖の代替となる甘味料が開発されてきています。
このような糖質を総称して「新甘味料」といいます。
これらの甘味料は、砂糖に近い甘味を保ちながらもエネルギーにはなりにくく、かつミューダンス菌の餌とならないため虫歯になりにくい特徴があります。
これらの人工甘味料は、優れた効果を持つ反面、かつてサッカリンやアスパルテームが発がん性の問題で話題となったことや、「人工」=「危険」というイメージを持つ人が多いことから批判を受けやすく、ネガティブなイメージをもたれがちな面もあります。


新甘味料は大きく分けると、「糖質系」「非糖質系」とになります。

糖質系甘味料  ~砂糖より甘めは控えめ~

多くが天然に含まれる食材(デンプン、麦芽糖、砂糖など)から作られます。
主に糖アルコールと呼ばれるものが該当します。
砂糖と比べると甘さは弱めですが、血糖値の上昇が緩やかで、砂糖の代替やダイエット向けに利用されています。吸収されにくい性質のため、圏内でビフィズス菌のエサとなり、大腸菌やウェルシユ菌といった悪玉菌の増殖を抑えます。ただ、一度に多量にとりすぎると下痢を起こすことがあります。

糖アルコール 砂糖を100としたときの甘味度 エネルギー換算係数(kal/g)
砂糖4kcal/g
キシリトール 100 3
エリスリトール 80 0
マルチトール 75 2
アルロース(プシコース) 70 0
ソルビトール 60 3
パラチノース 50 4
非糖質系甘味料(食品添加物)  ~甘さは砂糖の数倍~

非糖質系甘味料は、炭水化物に分類されない甘味料であり、天然甘味料と合成甘味料からなります。
化学合成によって造られ、カロリーは少ないのに甘さは砂糖の数百倍とされるものが多く、食品添加物にあてはまるものです。
甘さは砂糖の数倍あることから、砂糖の使用量を抑えることができるのが特徴です。
発がん性の問題でよく危険性が叫ばれていますが、多くの研究結果では因果関係はないという結果がでており、現在は多く利用されています。
また、アスパルテームはダイエット商品に用いられますが、急激な血糖値上昇でインスリンの分泌を促進する作用があり、それによって過食衝動に掻き立てられたり、エネルギーが中性脂肪に変換されて肥満を招きやすくなるといった面もあるので注意が必要です。
大量にとると胃腸障害を起こすこともあるので多用は避けましょう。
カロリーの低さから、その性質や特性を把握して多飲は控え、ゆっくりと飲料して血糖値が上昇しないよう、上手に使い分けると、健康増進に役立つともいえます。

  砂糖を100としたときの甘味度 エネルギー換算係数(kal/g)
砂糖4kcal/g
アスパルテーム 200 4
アセスルファムK 200 0
サッカリン 200~700 0
ステビオサイド 200~300 0

糖質系甘味料

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ソルビトール  ~広く使用されている甘味添加物~

ソルビトールは様々な食品に添加されている天然の糖アルコールです。
果物(りんご、桃などのバラ科)や海藻類に多く含まれるグルコース(ぶどう糖)から合成され、砂糖の約60%の甘さをもち、砂糖よりも75%カロリーが低いのが特徴です。
食物添加物のソルビトールは、とうもろこし、じゃがいもなどのでんぷん、麦芽糖から作られ、キャンディー、ガム、チョコレート、カステラなどのお菓子やジュースに甘味料として多く利用されています。
食品の保存性を高める効果もあるため、ハム、ソーセージ、かまぼこなどの食品類、コンビニで販売されているおにぎりにも、米がパサパサしないようにソルビトールが添加されていることがあります。さらには保湿性効果から化粧品、スキンケア商品などにも使用されます。

【安全性】
ソルビトールには発がん性などの毒性も確認されておらず、安全性は高いと言われています。
しかし、カロリーは控えめで、血糖値はさほど上昇させないものではありますが、甘味が控えめであることから、より摂食したい衝動に駆られやすくなり、依存性が高いものとされています。
また、過剰摂取すると、お腹がゆるくなりやすく、腹痛や下痢などを起こしやすくなります。
高血糖の糖尿病の人は合併症を引き起こすリスクがあるとされています。

マルチトール  ~麦芽糖を原料とする砂糖のカロリー半分~

マルチトールは、デンプン由来の二糖類のマルトース(麦芽糖)を原料として作られ「還元麦芽糖」とも呼ばれています。
低エネルギーの砂糖に変わる甘味料としては最も古いものです。
甘さは、砂糖の75%程度、すっきりとした後味が特徴で、ダイエット商品等に使われます。商品としては、単独のもの、マルチトールをべ一スにステビア甘味料などの非糖質系甘味料をブレンドしたものなどが液状、粉末、顆粒、錠剤などの形で売られています。

【安全性】
ソルビトールと同様、砂糖の半分のカロリーで控えめで血糖値もさほど上昇しませんが、甘味が控えめであることから、より摂食したい衝動に駆られやすくなり、依存性が高いものとされています。
また、過剰摂取すると、お腹がゆるくなりやすく、腹痛や下痢などを起こしやすくなります。(とはいえ、100g近く摂取して下痢が起きるくらいなので、それほど気にすることはないかと思います。)

キシリトール  ~歯磨きガムでお馴染み~

キシリトールはガムにも利用されているので、CMなどでもお馴染みかと思います。
糖アルコールに属し、甘味は砂糖とほぼ同程度で糖アルコールの中では最も強い甘味をもちます。
他の糖アルコールとの大きな違いは、溶解時に熱を奪う特性から冷涼感を感じる事です。
また、歯磨きガムや歯磨き粉などにも利用されるように、虫歯の発生を防ぐ優れた効果も照明されています。

【安全性】
キシリトールは砂糖よりもカロリーが低く(3kcal/g)、血糖値もさほど上昇しませんが、過剰に摂取すると下痢を起こしやすい特徴があります。
市販のガムには、甘味料のうちキシリトールが占める割合が50%以下、ひどいものは数%というものもあり、虫歯予防に効果的とも言えないものがあるので注意が必要です。虫歯予防として利用する場合は、歯科医院や薬局で販売されているものを選ぶようにしましょう。

パラチノース ~血糖値上昇を抑えるスローカロリーダイエット向け~

パラチノースは砂糖から作られる甘味料です。ぶどう糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が砂糖と異なる位置でつながった構造をしています。
砂糖に似た味質で、エネルギーも一般の糖質と同じ4kcal/gのカロリーを持ちますが、消化吸収速度が緩やかで血糖値上昇を抑制する生理機能効果も確認されています。
日本では、1985年より子供向けを含めた様々な製品に利用され、「虫歯にならない天然の糖」のキャッチフレーズで歯磨きガムが発売されてきました。
現在は、糖尿病患者向けや、運動後の補給商品へと利用が広がっています。
また、一般的な糖質と比較して長時間注意力が向上し、また眠気が低減することからエナジードリンクの商品も販売されています。

【安全性】
パラチノースの危険性はほとんどないとされています。ある研究では、パラチノースを短い期間で多く摂取した場合などでも、人の体に害を及ぼすようなことはなかったとの結果が出ているようです。ただ、大量に摂取してしまうと、お腹がくだることもありますので、過剰に摂取するようなことは避けるようにしましょう。
 

エリスリトール  ~インスリンダイエットに有効~

エリスリトールは厚生労働省で認定されたカロリー0の天然甘味料です。メロン、ブドウや梨などの果実や醤油・味噌・清酒などの発酵食品に含まれており、キシリトールと同じ糖アルコールタイプの甘味料で、甘味度は砂糖の約70%、清涼感のある口当たりが特徴です。
摂取しても体内で血糖値をあげず、インスリン過剰分泌を起こさせないので、肥満の原因にもなる中性脂肪を生成しません。
また、吸収されないため、そのまま体外に排出されるので、ゼロカロリーの糖質となり、糖質制限ダイエット、低インスリンダイエットにも有効で糖尿病予防にもなります。
また、口内細菌の活動を弱め、歯垢形成などを抑える効果があるとされるため虫歯予防にもなります。

【安全性】
ダイエット向けには理想的な糖類ですが、キシリトールと似たひんやりとした味覚なので苦手な方もいる点や、甘味が足りないと感じるかもしれません。
また、味覚が薄くつい量を増やしすぎると下痢になりやすいので注意が必要です。

アルロース(プシコース) ~GLP-1を分泌し、食欲を抑制する(過食防止)~

アルロース(プシコース)は果糖(フルクトース)から効率的につくることができるようになりました。
アルロースは、小腸から分泌される食欲抑制ホルモンGLP-1を促し、過食を抑制する作用があるのが特徴です。
砂糖の7割程度の甘味でカロリーゼロといった他「食後の血糖値上昇を緩やかにする」、「内臓脂肪の蓄積を抑える」、「動脈硬化になりにくい」といった研究結果も報告されています。
糖尿病の方の食事療法に期待されていますが、過食を抑えたい方にも効果が期待できます。

アルロースは、アメリカ食品医薬品局から「GRAS(Generally Recognized As Safe)」、安全だと認められています。ただ、生産方法が確立したのが2002年で比較的新しい糖であるため、長期使用による影響は不明だと述べています。

非糖質系甘味料(食品添加物)

アスパルテーム  ~危険とも噂される合成甘味料~

アスパルテームはアミノ酸のアスパラギン酸とフェニルアラニンで合成された人工甘味料です。
糖分のエネルギーと同じくエネルギーは4kcal/gながらも、砂糖の200倍の甘味があります。
1965年に発見され、1981年に
 「甘さは砂糖の200倍!」
 「カロリーゼロ!」
の謳い文句で米国内で発売されました。
砂糖の1/200で使用量が済むことからダイエットコーラ、ガムやお菓子などに利用されています。
【安全性】
アスパルテームは、現在でも安全性・危険性に関して最も論争がある人工甘味料の一つです。
アスパルテームは体内に摂取すると、必須アミノ酸でドーパミン、ノルアドレナリンの原料となるフェニルアラニン、乳酸菌を分解する非必須アミノ酸のアスパラギン酸、メタノールに分解されます。
これらの成分は、牛乳、肉、乾燥豆、果物、野菜などに含まれるありきたりの成分です。

例えば、1回摂取量の無脂肪乳には、アスパルテーム入り飲料(ダイエットコーラ)に比べ、フェニルアラニンが約6倍、アスパラギン酸は約13倍も多く含まれています。メタノールはトマトの方が多く含まれています。
メタノールは過剰に摂取すると失明、致死などに繋がりますが、食品に含まれる量は微量であるため急性毒性となる危険性はありません。
現在、世界の多くの研究に置いては、発がん性など含め安全性が認められているようです。
ただ、カロリーは0で無いにも関わらず日本では100ml当たり5kcal以下では「カロリーゼロ」と表記できるので、ついつい過剰に飲食してしまい、ダイエットどころか、肥満や糖尿病を引き起す危険性もあるので注意が必要です。

アセスルファムカリウム(アセスルファムK) ~アスパルテームとよく併用される~

アセスルファムKは、1967年にドイツの科学者によって偶然発見された人工甘味成分です。
砂糖の約200倍の甘さを有しますが消化されずに尿中に排泄されるため、カロリーはほぼ0です。後味の改善のため、アスパルテームなど甘味が長続きする甘味料と併用されることがあります。
日本では2000年4月に食品添加物に指定され、2008年には医薬品添加物にも指定されました。
それ以降、多くの食料品、特に清涼飲料水や酒類に使用されています。

【安全性】
日本ではガン原性は認められず、無害、各種動物実験でも安全性が確認されている一方、ラットの実験で大量に摂取した場合、死亡例が認められています。
過剰摂取により、何等かの症状が出る可能性もあるので注意が必要と思われます。
製造工程において、プラスチックと同じ成分の塩化メチレンが混入し、体内に不要物の残留や発がん性なども心配されていますが、研究結果を含め現在までに症状が出たという報告はされていません。

サッカリン  ~発がん性の疑いで使用されなくなった甘味料~

発見は1878年と古く、第一次世界大戦の勃発により砂糖が不足後急速に普及し、1960年代から70年代にかけ広く使われるようになりました。
砂糖の200~700倍の強い甘味があると言われるものの、カロリーにならないためダイエット商品などに広く用いられるようになりました。

【安全性】
1960年代に発がん性あると考えられ、日本では1973年に食品への使用が禁止されました。その後、様々な動物実験を経た結果、発がん性は示されず現在では発がん性物質リストから削除されています。しかし、他の甘味料にとって代わられ、現在はあまり目にすることはありません。

ステビオサイド(ステビオシド)  ~安全性の高い理想的な天然甘味料~

ステビオサイドは、パラグアイ原産のキク科ステビアに含まれる甘味成分です。
カロリーはほぼないに等しい割には甘味は砂糖の200~300倍をもち、近年天然甘味料としてダイエット用食品や糖尿病患者用メニューに砂糖の代わりに用いられています。
ステビアは1971年に大阪の守田化学工業によって世界で初めて商品化され、1990年には大塚製薬の清涼飲料水「ポカリスエット ステビア」、さらに2015年にはアサヒ飲料の「WONDA」に用いられ、その他
フルーツ缶詰・乳飲料・粉末飲料・ヨーグルト・ゼリー・ドレッシング・麺つゆ等にも使われています。

【安全性】
2006年には千葉大学の報告で、糖尿病を改善するためのインスリンの抵抗性を改善する働きがあると報告されています。さらに、成分中に含まれるヒスタミンに強力な解毒作用があることや、ステビアの茎を熟水抽出したものに緑茶の5倍以上の抗酸化力があることもわかっています。
ほぼノンカロリーであることからも、ダイエットや糖尿病予防、美容に安心して利用できる理想的な甘味料ともいえます。

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