はじめに
普段食事をするときの何気なく行う「噛む」行為。
食事は「よく噛んで食べましょう」と子供の頃からよく聞きますよね。
年代とともに「噛む」回数は減少し、現代は弥生時代の人達の1/6程度まで減少しているようです。
(弥生人の1回の食事で噛む回数は約4000回に対し、現代人は600回程度)
その理由は、昔の人は木の実、玄米といった堅い食べ物を食べることが多かったことに対し、現代は調理法も近代化し、次第に柔らかい食べ物を好むようになってきたためと考えられています。
「よく噛む」と、消化がよくなることはだいたい分かりますが、実は様々な効果があることが分かってきています。
脳の栄養素BDNF(神経栄養因子)の増やし方は様々ありますが、実は「噛む」行為もBDNFが増える効果があるようです。
噛む[咀嚼(そしゃく)]とは
噛む行為は、難しい言葉で咀嚼(そしゃく)ともいいます。
咀嚼とは、ただかみ砕くだけではなく、下記の連続したプロセスで行われています。
「咬断:こうだん」:口に入れ、前歯で噛み切ること
「粉砕:ふんさい」:奥歯に運んで砕くこと
「臼磨:きゅうま」:すり潰すこと
「混合」:かみ砕かれたものを唾液と混ぜ合わせ、固まり(食塊)にすること。
ただ、飲み物といっしょに急いで流し込むように食べたり、過食症のように、詰め込んで食べるような行為は、咀嚼のメリットがなくなるということになります。
噛む行為で受けるメリット
ひみこの歯がいーぜ
「噛む」ことで得られる効果として、学校食事研究会のわかりやすい標語
「ひみこの歯がいーぜ」
で紹介します。
「ひ」・・・肥満防止
よく噛むことで満腹中枢が刺激されるために満腹感を感じやすく、食べ過ぎを防ぎ肥満になることの防止になります。
「み」・・・味覚の発達
味覚は舌の表面にある味蕾(みらい)という細胞が、味刺激を受け取り、脳へ刺激信号を伝えることで感じとります。よく食べ物を噛むことで、形、固さを感じることができ、味がよくわかるようになるなど味覚が発達し、脳も刺激されていきます。
「こ」・・・言葉の発達
噛むことで、顔の筋肉が発達し、言葉を正しく発音し顔の表情も豊かになります。
「の」・・・脳の発達・活性化と健康維持
噛むことで、脳の血流が良くなり、運動野、感覚野、前頭前野、海馬、小脳が活性化することが分かっています。
特にうつ病は前頭前野、海馬の働きが弱っているので、噛むことを増やすことで前頭前野、海馬の働きを活性化させ認知機能、記憶力を高めていけます。
また、脳だけでなく、全身の血流も良くなるため、健康面にもよい効果が期待できます。
「は」・・・歯の病気予防
唾液に含まれる「ラクトフェリン」などの抗菌物質は、虫歯菌や歯周病菌の侵入を妨ぎ、増殖を防ぎます。
噛むと唾液の分泌が促させるため、天然の歯周病予防に役立ちます。
「が」・・・がん予防
唾液の成分である「ペルオキシダーゼ」には、食品中の発がん性を抑える働きがあると言われています。
「い」・・・胃腸の働きを促進
消化は、唾液に含まれるアミラーゼ、マルターゼ、リパーゼなどの酵素によって行われます。
よくかみ砕くと唾液が食べ物とよく混合して消化されやすくなるため、胃腸への負担が軽くなり、胃腸の働きを正常に保ってくれます。
「ぜ」・・・全身の体力向上
力を出すときは、歯を食いしばる事によって力を最大限に発揮することができます。
しっかり、かみ合わせができないと、体の平衡バランスが悪くなり、転倒しやすくなるため、運動能力にも大きく影響してきます。
その他にも以下のような効果もあります。
噛むことで脳内BDNFが増加!
実は、意外なことに、噛むことで脳内のBDNFが増えることが確認されています。
その秘密は、唾液が関係しています。
BDNFは唾液腺でもつくれているので、唾液の中にも存在しているのです。
唾液で使用されなかったその有効成分のいくつかは、舌の下の粘膜から再吸収されて全身へと流れていきます。
特に、口は脳に近いため、唾液中のBDNFも脳に浸透していきます。
その結果、脳内のBDNF濃度が増加し、神経細胞が増加することで脳機能がUPするというわけです。
実際、ガムを噛むことで、記憶を司る海馬が修復したという研究結果もでています。
セロトニンを分泌しリラックス効果!
ガムを20分間噛み続けると、セロトニン神経が活性化することでセロトニンの分泌量が増えるという研究結果があるそうです。
また、リラックス状態のときでてくる脳波のα波が出る事もわかっており、噛むことで、集中力やリラクゼーション効果が高まるということになります。
プロ野球選手のバッターがよくガムを噛んでいるのを見かけますが、実は集中力を高めるためにやっているのだとか。
「噛む」ことで得られるメリット
肥満防止、味覚発達、言葉の発音をよくする、BDNFを増やし認知機能、記憶力高める、セロトニンを増やしリラックス、歯の病気・がんの予防、胃腸の働きを促進、健康維持
ガムを噛む
以上のことから、「噛む」ことは、BDNFを増やし脳を活性化させることだけでなく、健康維持やリラクゼーション効果など様々な効果があることがわかりました。
しかし、昔と違って現代は、時間に追われる日々のため、なかなかゆっくりと食事ができず、噛む頻度を増やすのも難しいかと思います。
そんなときに有効なアイテムが、「ガムを噛む」ことでしょう。
ガムを噛むことなら、通勤・通学、勉強中でも利用できるので忙しい方でも利用できます。
噛むときの注意
ガムを噛む行為は、食生活で賄いきれない咀嚼回数を補うことに適していますが、あまりにも噛みすぎても悪影響がでてきます。
例えば、
・歯のエナメル質がすり減り、歯にダメージを与えてしまい知覚過敏をひきおこしてしまう。
・顎関節症になりやすい。
・ストレスが多いときに噛むと頭痛をひきおこしやすい。
といった症状です。
では、1日にどのくらいの頻度で噛むのが理想的なのかというと下記の条件になります。
・食時と食事の間で1日3~4回程度が理想
・1回あたり10分以上)
どんなガムがよい?
ガムにも色々な種類がありますが、糖分のはいったガムを噛むと、虫歯になったり、BDNFを減少させ糖尿病リスクが高まります。
ですので、味覚を楽しむことを目的としないなら、虫歯予防をしてくれるキシリトールガムがお勧めです。
キシリトールガム
キシリトールとは、白樺や樫の木、トウモロコシなどを原料としてつくられる天然の甘味料です。
多くの果実、野菜の中でもとれる成分です。
甘味は砂糖と同じくらいですが、カロリーは砂糖の約75%程度で、ミントのようなスーとした清涼感があります。
甘味はありますが、虫歯菌の餌にはならないことや、唾液の分泌も促す効果があるので、虫歯予防のガムとしても用いられています。
虫歯予防として選ぶときのコツ
1.キシリトールの含有率が50%以上
50%以上の含有量がないと虫歯予防には効果が得られません。
※キシリトール含有率=キシリトール量(g)×100/炭水化物(g)
2.糖類が0gのものを選ぶ
パッケージの成分表で、糖分が含まれていないか確認しましょう。
ソルビトール、マルチトールもキシリトールと同じく虫歯になりにくいとされています。
3.酸性成分を含まないもの
酸性であるクエン酸、果汁入りのものは、脱炭(歯の表面からミネラルが溶け出す)を引き起すた
めです。
おすすめのキシリトールガム
市販のキシリトールガムには甘さを出すために糖分が含まれている商品も多いので、虫歯予防効果の高い、キシリトール100%配合の歯科医院専売品である「歯科医院専用ガム」を選ぶことをおすすめします。
キシリトール入りの歯科医院専用ガムは糖分を含んでおらず、虫歯の原因となる酸などを作らないことから虫歯の発生を防ぐ効果があります。
オーラルケア 【歯科専用】キシリトールガム ボトルタイプ90粒
歯科専用でキシリトール100%配合品です。
キシリトール以外の甘味料は使用していませんが、ほんのりと甘い味を感じます。
普通のキシリトールガムは、1回あたり2粒推奨のものが多いですが、この商品は1回1粒でよく、コスト的にも優れています。
アップルミント、クリアミント、マスカット味があります。
BDNFを増やす方法へ
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