はじめに
脳を鍛える方法は、塗り絵、ゲームなど趣味を増やすことも一つの手段ですが、日常生活の作業の中においてもいくつか存在します。
なかでも、「調理」は認知機能に関わる大脳の前頭前野の働きを高めることに効果的であることが研究結果でも明らかにされています。
近年は、昔と異なり、惣菜パック、電子レンジの登場などによって普段は手間暇かけて調理する機会を持つ人は減少してきたものと思われます。
特に、精神疾患にかかって体調が悪い方にとっては、とても労力を感じる作業でもありますが、体調がよくなってやる気がでてきたときのリハビリとしてぜひチャレンジしてみましょう。
調理の工程
調理する場合、様々な工程があります。
1.メニューを考える
2.材料を揃える
3.洗う、切る
4.煮る、焼く
5.盛り付け
全くの0の段階から1品だけの調理をする場合でも結構手間がかかり頭を使いますが、いくつかの品数を同時進行で調理する場合の工程はさらに複雑になります。
同じ工程でも、人によって出来た料理の出来栄え、味、盛り付け方も異なってくるので技術力も要してきます。
材料の切り方、分量、調理時間等いろいろと考えながら調整しているので、頭を使うだけでなく手の動かし方、感性、感覚機能もフルに使っています。
料理の作業は、手と脳、感覚機能を使い脳にも刺激が与えられるため、脳トレとしても非常に効果的なものです。
調理と脳の働きの効果
2005年に行われた東北大学と大阪ガスの共同研究結果において、毎日30分以上自宅で調理を3か月続けた結果、前頭前野の働きが活性化し思考力と総合的作業力に高まりが認められたことが報告されています。
また、脳腫瘍をもつ患者が手術で前頭葉を切除後、料理を作ることができない症状を示したという事例もあり、料理をすることは前頭葉を鍛えることに繋がることが示唆されます。
男女比において、女性のほうが認知症になりにくいといわれているのも、普段から料理をするからなのではないかと推測されています。
しかし、うつ病やストレスをかかえてくると調理することもおっくうに。
惣菜や弁当の食事で済ませ頭を使う機会が減少することになるので、認知症リスクが高くなるとも予測されるので注意が必要です。
脳を鍛える効果的な料理の仕方のポイント
1.複雑で難しい料理をする
簡単、単純な作業ではあまり脳は活性しません。
できるだけ、手間をかけ、限られた時間の中で、段取りを考える事が脳の思考系脳番地を活性化させます。
慢性化しないように、料理が上達したら難易度の高いレシピにチャレンジしていきましょう。
2.包丁を使って材料を切る
「皮むき器(ピーラー)を使って皮をむく」、「千切り器を使う」といった器具は便利ではありますが、脳の活性化にはならないようです。
包丁で硬いものを切る時には、運動系脳番地を、千切りなど繊細な切り方をする時は思考系脳番地を働かせながら切っているので面倒ですが包丁を使って料理しましょう。
3.味見する
味見は、以前同じ料理をつくったときの記憶を脳から引き出す確認する行為を行っています。
マインドフルネスと同じように味覚をじっくりと感じることで、脳に刺激を与えられます。
4.気持ちをこめる
ただ、漠然と料理をするよりも、気持ちを込めて作業を行うほうが、前頭前野が活発に活動することが確認されています。
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