はじめに
大豆は「畑の肉」と呼ばれるように、良質なたんぱく質はじめ多くの栄養素を含む栄養素の宝庫です。
たんぱく質35%、脂肪19%、炭水化物28%と、3大栄養素をバランスよく含んだ穀物としてよく知られています。
脂質も比較的多く含んでいますが、大部分がコレステロールを下げるリノール酸やリノレン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸なので、中性脂肪を下げたいとき改善に役立ちます。
古くから日本では、記紀にも登場するように「稲・麦・粟・大豆・小豆」は五穀として貴重な食べ物として扱われ、大豆はアジア一帯では食文化に欠かせないものでした。
また、日本の伝統行事節分では大豆を食べる習慣があるように、大切に受け継がれています。
歴史からみてもわかるように、昔の人達は大豆の大切さについてすでに気づいており、伝えてくれていたのかもしれません。
大豆に含まれるイソフラボンは、天然の成分で、1930年代には発見されていましたが、本格的に研究が始まったのは1990年代からで、近年はBDNFを増やし、脳にもよい影響を与えることが明らかになりつつあります。
イソフラボンの特徴
イソフラボンは、大豆の胚芽に含まれるポリフェノールーフラボノイド群に分類されるもので、ダイズイン、ゲニスチン、グリシチンといった種類があります。
しかし、大豆に含まれるとはいえ、わずか0.2~0.4%程度しか含まれない貴重な成分です。
イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」に類似した分子構造と働きをすることから、「フィト・エストロゲン」とも呼ばれ、更年期などに女性のホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
しかし、その効力は、エストロゲンの1,000分の1から10,000分の1であるため、それほど強い作用を起こすものではありません。
とはいえ、女性らしさを保ち、大豆イソフラボンを多くとっている人は、更年期障害によるほてり、のぼせが見られにくいことや、脳卒中は女性に優位に予防として働く傾向がみられる報告もみられるため、女性に優しい食品とも考えられます。
イソフラボンの効果
美肌効果・アンチエイジング
肌の弾力を保つ「コラーゲン」を増やし、新陳代謝を高めて潤いとハリのある肌を保ってくれるため、美肌・アンチエイジング効果があります。
ガンのリスクを下げる
大豆製品を多くとる日本、中国は、欧米より発がん発生率が低く、イソフラボンと大豆摂取量と相関関係があると考えられています。また、がんの予防効果があることも明らかになりつつあります。
骨粗しょう症を予防
エストロゲンは、骨の元となるカルシウムの流出を防ぐ働きがありますが、イソフラボンでエストロゲンの代替の働きで補うことも可能です。カルシウムの多く含まれる牛乳、魚類とイソフラボンを組み合わせると骨粗しょう症予防にもなります。
生活習慣病予防
イソフラボンは、血中の悪玉コレステロールを排除してくれるため、血液をさらさらにし、心筋梗塞、脳梗塞、肥満といった生活習慣病予防としての働きがあります。
脳の働きを高め、認知機能、記憶力UP
BDNFの量は加齢により減っていくものですが、その減少を緩やかにされるといわれるのが大豆イソフラボンです。認知機能、記憶力を高める効果があるともいわれています。
イソフラボンを多く含む食品
イソフラボンが多く含まれるのは大豆食品。
代表的な食品として
蒸し大豆、水煮、納豆、大豆飲料、豆腐、油揚げ、黄粉、みそ、大豆つきもやし
などがあります。
中でも、最もイソフラボンが多く含まれているのが「蒸し大豆」です。
蒸し大豆は、大豆を蒸した食品ですが、成分が内部で凝縮され、大豆の栄養分や機能成分を効率よくとれるため人気が高まっているようです。
イソフラボンだけでなく、他の栄養素も他の大豆食品と比較すると高い水準にある結果もでています。
なんといっても、食物繊維、オリゴ糖といったプレバイオティクス成分、鎮静作用のあるGABAが他の食品と比べて圧倒的に高くなっているので、整腸作用が高まり、それに乗じて脳の働きも高まる相乗効果が期待できます。
イソフラボンの摂取量は一日に40mg~50mgが理想です。
納豆1食分で摂れる量なので、これくらいは毎日摂りたいものです。
蒸し大豆 | 水煮 | 納豆 | 豆腐 | 豆乳 | |
タンパク質 | 15.5g | 114g | 15.9g | 5.4g | 3.7g |
食物繊維 | 8.8g | 6.7g | 7.1g | 0.4g | 0.1g |
大豆オリゴ糖 | 1.42g | 0.79g | 0g | 0.5g | 0.42g |
レシチン | 572mg | 575mg | 864mg | 235mg | 141mg |
GABA(ギャバ) | 23mg | 3mg | 2mg | 3mg | 0mg |
イソフラボン | 120mg | 62mg | 51mg | 25mg | 12mg |
(大豆100gあたりに含まれる成分量)
参考:特選街web
蒸し大豆を利用したレシピ
蒸し大豆は、スーパーにいくとパック入りですぐ買えるので、サラダと混ぜる以外にも、蒸し大豆とチーズを合わせたピザなどのように、シンバイオティクス効果を狙った調理法を工夫してみるのもいいかもしれません。
イソフラボンとDHAのコラボで能力UP
近年の人を対象とした研究では、イソフラボンとDHAを摂取する場合、それぞれ単独の摂取では効果がなく、両方を多くとっている場合のみ脳機能が高まったという研究結果があります。
DHAは魚類に多く含まれる食品ですが、その他にも肉類(豚、鶏、牛)、チーズ、植物油にも魚類ほどではないですが含まれています。
国立長寿医療研究センターの丸山先生との共同研究で、愛知県大府市の約2,200人を対象に調査を行った結果をご紹介します。この調査は、大豆イソフラボンとDHAの摂取量について①どちらも多く摂取している群 ②イソフラボンだけを多く摂取している群 ③DHAだけを多く摂取している群 ④どちらも摂取量が少ない群の4群に分け、脳機能の指標の1つである推定IQ値を比べたものです。すると、大豆イソフラボンとDHAの両方を多くとっている群でのみ、推定IQ値の改善が認められました。これは、大豆イソフラボンとDHAの両方を摂取することが重要であることを意味しています。つまり、抗酸化作用を持つ大豆イソフラボンがDHAの酸化をうまく防止することで、DHAの持つ本来の良い作用が期待できるということです。
https://www.danone-institute.or.jp/mailmagazines/backyear/1129.html
栄養価の高い蒸し大豆(プレバイオティクス)と、チーズ(プロバイオティクス)の組み合わせは、シンバイオティクスの関係となり、またチーズのもつDHA成分も上手く吸収されやすくなるので、脳機能を高める組み合わせによい相性ともいえます。
ピザを食べるときに蒸し大豆、ちりめんじゃこ、オリーブオイルをトッピングして食べるのもいいかもしれませんね。
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