睡眠障害の解消① ~睡眠の基本的なメカニズム~

トラウマケア
Illustration of a woman sleeping comfortably

睡眠の役割

人が眠る理由にはいくつかあります。眠る理由ははっきりとした回答はありませんが、疲れた身体を休息させる以外にも、様々な役割があります。

休息 ~脳を休める~

身体と脳を休息させるために眠りは必要不可欠です。
睡眠が不足すると、大脳が疲労を回復できず、頭痛、集中力の欠如、感情コントロールが効かなくなるといった症状がでてきます。

成長ホルモン分泌 ~細胞の再生・修復~

成長ホルモンは、細胞を再生・修復する新陳代謝の作用があります。
成長ホルモンは眠りに落ちてから最初の3時間程度の間に集中的に分泌されていくため、眠りが不十分だと不足気味になりがちに。
すると、新陳代謝が上手くいかず、肌や頭皮の生まれ変わらず肌荒れや老化が進んだり、体内に老廃物が溜まってしまい身体に障害が生じてきます。

免疫力を高める ~自然治癒力発動~

風邪をひくと寝るのが一番だといわれますが、睡眠中に免疫力が高まり、病気を治そうとする自然治癒力が高まります。

ストレス物質除去 ~ストレスを解消~

睡眠中に分泌される睡眠物質は、神経細胞の機能を回復し、活性酸素を分解し、ストレスの原因となる有害物質を除去してくれます。

睡眠の2つのメカニズム

睡眠活動は、大きく大別すると
「体内時計機構」
「ホメオスタシス機構」
の2つのメカニズムで形成されており、状況に応じて睡眠のタイミングを制御しています。

1.体内時計機構 ~サーカディアンリズム~

人は夜暗くなると眠くなり、明るくなると目が覚めます。
また、一定間隔で空腹感を感じたり、女性の場合は月経がやってきます。
人や生物の中には、身体リズムが生まれつき存在しており、これを「体内時計機構」といいます。
その中で、1日周期のリズムを「サーカディアンリズム」「概日(かいじつ)リズム」といいます。
サーカディアンとはラテン語で「おおよそ1日のリズム」という意味になります。

2.ホメオスタシス機構

時刻とは無関係に働く「ホメオスタシス機構」によるもので、活動中に酷使された脳を休ませる場合に働く機構です。
簡単にいうと、「疲れたから寝る」といったものです。

体内時計と睡眠の関係  

体内時計の司令塔は、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という部分で、全身の細胞にある体内時計のリズムを統率しています。


「覚醒」に関わる神経伝達物質は「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ヒスタミン」「オレキシン」ですが、体内時計と関わるのが「セロトニン」です。
覚醒時はセロトニンが主に維持しています。

  1. 眼などから入った光の信号は、視神経 → 視交叉上核 → 上頸神経節 → 松果体に達します。
    夜暗くなり光の量が減少していくと、松果体においてセロトニンが睡眠を促す「メラトニン」に変換されていき眠気を感じるようになります。
    体温と睡眠も関係しており、夜になるとだんだんと体温が低下してきます。(体温は1日の中で1℃の幅で変動します。)
  2. 朝になり光を感知すると、松果体はメラトニンをセロトニンに変換し覚醒を促します。

つまり、夜部屋の灯りが明るすぎるとメラトニンが分泌されにくくなり、寝付けにくい状態となります。

※寝つきをよくするのに重要なのはセロトニンをメラトニンに変換させることです。
メラトニンを増やしただけでは覚醒物質のセロトニンが減らないため、覚醒と眠気が混合した浅い眠りの状態となります。

睡眠のリズム ~レム睡眠とノンレム睡眠~

睡眠中は「レム睡眠」という浅い眠りと、「ノンレム睡眠」という深い眠りが交互に現れます。
レム睡眠時は、覚醒状態に近い状態で、「夢をみる」時はこのときが多いといわれています。

レム睡眠時の脳は覚醒状態に近く、夢もこのときによく見ます。
眼球もすばやく左右に動くため急速眼球運動(rapid eye movement, REM)の頭文字を取ってレム睡眠と呼びます。
このとき体は弛緩していて動きません。
意識があるのに動けない「金縛り」は、この状態のときになります。

ノンレム睡眠は深い眠りですが、レム睡眠時とは反対の現象がおきます。
つまり、殆ど意識がなく夢もみません。ただし、体が動いて寝返りもうちます。
成長ホルモンもこのときに分泌されるので、ノンレム睡眠状態をとることが大切になります。

レム睡眠とノンレム睡眠は、睡眠中周期的に繰り返します。
はじめの90分の間は最も深く長いノンレム睡眠が出現し、起きるまでにだんだんと浅く短いレム睡眠が多くなっていくのが一般的な睡眠リズムです。
このリズムは1回1時間半くらいで繰り返し、4~5回繰り返すと熟睡感と快適な目覚めが得られるといいます。

※とはいえ、年齢とともに、メラトニン分泌量も低下し睡眠時間も短くなっていくこと、ホメオシスタス機構で個人差や生活習慣、健康状態も重なり、なかなかこのような理想通りの状態を維持することは難しいと思います。
あまり拘りすぎるとストレスになり、よけいに眠りにつけなくなるため、おおまかな目安として捉えていくといいのではないでしょうか。

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