危険なもの?話題のCBD(カンナビジオール)オイルとは ~大麻、CBDオイル、ヘンプオイルとの違い~

ストレスケア

はじめに

欧米を中心に世界で注目を集めている「CBDオイル」が、近年日本でも話題を呼んでいるようです。
CBDが知られるようになったのは、2013年アメリカCNNのドキュメンタリー番組「ウィード」で、CBDオイルによっててんかんの発作がゼロになった少女を取り上げた放送がきっかけのようです。

CBDとは、大麻草に含まれている化学物質の一つ。
大麻草と聞くと、違法ドラッグのイメージをする方が多い方が多いかと思います。
大麻草には、覚せい剤のように向精神的で気分を「ハイ」にさせる作用をするTHC(テトラヒドロカンナビジオール)と、気分をリラックスにするCBD(カンナビジオール)が含まれていますが、従来のドラッグで脳にダメージを与える悪いイメージを与えてきた化学物質がTHC成分になります。
CBDオイルは,有害となるTHC成分を含まないオイルで安全性も高く、様々な効用をもたらしてくれることから日本でも現在注目を集めています。
2018年、アメリカで「農業政策法案」の法律が変更され、「THCが0,3%以下の大麻草は産業用大麻=ヘンプと見なす」ことが認められ、栽培、販売、消費が急成長している商品の一つです。

大麻(マリファナ)、CBDオイル、ヘンプオイルの違い

CBDオイルについて調べてみると、CBDオイルの他にも「ヘンプオイル」といった用語も見かけます。
大麻のことについてよく分からない人にとっては、馴染みのない用語がいっぱいでてきて危険なものなのか、どのような効果があるのか混乱してしまうかと思います。
そこで、まず麻薬の大麻、CBDオイル、ヘンプオイルの違いなどについてまとめてみました。

麻の日本の歴史

麻(Cannavis sativa)は人類が栽培してきた植物の中でも1万年以上のつきあいがある、世界最古の繊維作物。
麻、大麻ともに「カンナビス・サディスバ」というアサ科アサ属の植物が原料となっています。
茎の皮の植物繊維は、麻線維として麻紙、麻布として、種子は食用や薬の麻子仁(マシニン)として、油は食用、燃料などとして用いられてきました。
種子には大豆に匹敵するほど高い栄養素が含まれていることで知られています。
大麻は神道と深く関係しており、「大祓詞」(おおはらえことば)の中にも「天都菅麻」(あまつすがそ)として大麻が登場し、現代でも天皇即位の大嘗祭の時は、神服(かむみそ)として麻で織った鹿服(あらたえ)を調進することを定められています。
徳島県の総鎮守として信仰を集める大麻比古神社のような社名にもあるように、麻は重要な植物であったことが推測できます。
戦前は、小学校でも大麻について教えられていましたが、戦後GHQ主導により、大麻取締法が制定されてから栽培されることがなくなり、日本人の意識になかに「大麻=悪」のイメージとして洗脳されていきます。

大麻、ヘンプ(麻)の違い

大麻草(カンナビス・サディスバ・エル)には、マリファナの主成分であるTHC含有量が多い薬用型から、THCの含有量が極めて少ない産業用まで多様な品種があります。
おおざっぱにTHC含有量が多いものを「大麻」、THC含有量の少ない産業用のものを「ヘンプ(麻)」と呼ぶようで、法的に識別がなされています。
その違いについてみていきましょう。

THC濃度の違い

その大きな違いは、含有するTHC濃度です。
大麻かヘンプかの識別は、海外ではTHC濃度によって基準が定められており、アメリカでは州にもよりますがTHC濃度が0.3%以上のものを「大麻」、0.3%の品種ものを「ヘンプ」と識別しています。(他国では0.2%など基準値が異なります)
輸入に頼る日本では法的にTHC濃度が0.3%以下であれば合法というブログ記事もありますが、実際はTHCが検出されるだけで違法になるようです。

「大麻」は、THC濃度が高く、覚醒作用が強く気分がハイになるため、海外の許可されている国では嗜好用ドラッグとして利用されています。
THC成分は脳にダメージを与え、危険性が高いため日本では取締り対象基準となる悪玉要因でもあり、少しでも含んだ製品は違法となります。
ただし、アメリカでは痛みを緩和する目的として医療用として認められています。

「ヘンプ」は、危険性の高いTHC成分が少なく、CBD成分が高めの大麻草です。
CBDはリラクゼーション、鎮静作用が強く、副作用や脳にダメージを与えることもないためCBDオイルとして利用されるものになります。
また、THCの作用を抑える作用もあります。
衣服、化粧品、七味唐辛子(麻の実)、注連縄、石鹸(健康用品、サプリ)といったTHCをほとんど含まない産業用に特別に栽培されている種を「産業用ヘンプ」といいます。

植物の取れる部位による違い

THC濃度は品種によっても異なりますが、大麻草の部位によっても濃度が異なります。
特に、葉と花の部分にTHCが多く含まれ、茎、種子の部分は濃度が低いため日本では部位によっても規制されています。
マリファナは大麻のTHC濃度の高い葉、花穂の部分を乾燥し、タバコにして喫煙する嗜好品を指します。
CBDオイルは、ヘンプからCBD成分を抽出し「オリーブオイル」「ココナッツオイル」「MCTオイル」で希釈したオイルです。

THC濃度高い部分(花と葉)
日本ではヘンプでも利用してはだめ

THC濃度が低い部分(茎と種子)

ヘンプから摂れる種子は栄養価が高く食用にも

しかし、ヘンプでも花と葉の部分は比較的THC濃度が高い部分になります。
つまり、CBDオイルにも
・「ヘンプのすべての部分から抽出したCBDオイル」・・・THCを含む
・「ヘンプの茎、種子から抽出したCBDオイル」
・・・THCを含まない。
ものが存在することになります。
日本では、大麻草の茎と種子から抽出されたものに対象が絞られていることになるため、後者のものだけ輸入、使用が許可されています。(0.1%でもTHCが検出されると違法扱いになります。)

CBD 製品について
大麻草の成熟した茎又は種子以外の部位(葉、花穂、枝、根等)から抽出・製造され
た CBD 製品は、「大麻」に該当します。

・なお、大麻草から抽出・製造されたかを問わず、大麻草由来の成分であるテトラヒ
ドロカンナビノール(THC)を含有する CBD 製品は、「大麻」に該当しないことが確
認できないので、原則として輸入できません。また、化学合成された THC は麻薬及
び向精神薬取締法で「麻薬」として規制されていますので、原則として輸入できま
せん。
参考:厚生労働省HP

また、ヘンプの種子の部分は、ミネラル、必須脂肪酸などが多く含まれて栄養価がとても高い食用となるため「スーパーフード」とも呼ばれます。
ヘンプの種子から抽出された油を「ヘンプオイル」といいます。

大麻草(カンナビス・サディスバ)の分類
大麻   :THC濃度が(0.3%以上 アメリカ基準)
     気分をハイにする向精神作用がある。有害性がある。
     主に嗜好用(ドラッグ)、医療大麻(日本では使用不可)

ヘンプ(麻):THC濃度が(0.3%未満 アメリカ基準) 
     CBD濃度が高く気分を鎮静化、気分をリラックスに。CBDオイルとして使用される。
     (日本では、茎と種子から採取され、かつTHCを含まないCBD製品のみ合法
     安全性が高い。
     日常用品、食用に使われる産業用ヘンプも存在する。
     ヘンプオイルはヘンプの種子の部分から抽出したオイル。

CBDオイルの特徴と選び方の注意

では、大麻とヘンプの違いの次はCBDオイルについてみていきます。
また、CBDオイルについて調べていくとヘンプオイルも良く見かけるので、混乱しないようヘンプオイルについても後で簡単に説明しています。

CBDオイルの製造方法

日本で許可がされているCBDオイルは、ヘンプの茎と種子からCBDオイルを抽出したエキスを、キャリアオイルに入れて希釈したものが販売されています。
このキャリアオイルにヘンプオイルが使われている場合もあるのが紛らわしいので、普通のヘンプオイルと間違いないようにする注意が必要です。

CBDオイルの使い方

CBDオイルの基本的な使い方は「経口摂取」になります。
スポイトで舌の裏側に垂らすことにより、粘膜より吸収されて毛細血管に直接浸透していきます。
また、1~2分程度、舌の裏側に留めることで摂取効率を高めることができます。
他にも、飲み物や食べ物に混ぜて使用することもできますが、CBDは熱に弱いため加熱は控えましょう。
また、肌を健康に保つビタミンAやシミ・シワを防止するビタミンC、抗酸化作用が得られるビタミンEなども含まれているので、肌に塗ることでも抗炎症作用や鎮痛効果が得られます。

CBDオイルを選ぶときの注意点

1.違法なものでないか確認する

日本と海外では法律が異なるため、海外で合法であっても日本では違法な製品であることもあります。
海外ではTHC濃度が0.3%以下で合法であっても、日本でTHCが検出されると違法となります。
実際に日本で、THCを含んだ違法な製品が出回っているようなので注意が必要です。
こうした商品を手にしないためは「COA(Confirmation of Analysis)」が開示されているものを選ぶと安全です。
COAは第三者による成分検査の証明書で、THCやその他の有害な不純物が含まれていないか、CBDはしっかり含まれているかなどが記載されています。
また、利用するときは、日本に正規ルートで輸入された店舗を選ぶといいでしょう。

2.CBDオイル含有量
gold percentage sign

製品によってCBDの含有量は様々で、CBDの含有量が高いほど高価になる傾向があるようです。
効き方は個人差の体質、調子によって異なってくるので、効果の実感が得られないという場合は濃度が高めのものを選択し色々と試していくといいでしょう。
含有量は、「mg(ミリグラム)」あるいは「%(パーセント)」で表記されています。

3.キャリアオイル

次に重要なのがキャリアオイルのタイプです。
キャリアオイルはCBDオイルの体内への吸収を助けるという役割を果たします。
キャリアオイルにはMCT,ココナッツ,パーム,オリーブ、アボカド、グレープシード、セサミオイル、ヘンプオイルなどが使われています。
MCTとは聞きなれない言葉ですが、「Medium Chain Triglyceride」の頭文字を取ったもので、日本語では「中鎖脂肪酸」と訳されます。
つまりMCTオイルとは、成分の大部分を中鎖脂肪酸が占めるオイルのことで、ココナッツやパームフルーツに多く含まれる天然成分になります。

一般的な植物油には長鎖脂肪酸が含まれていますが、中鎖脂肪酸は身体を丈夫にする、吸収率が高い、脂肪になりにく、ケトン体をつくる、脳のエネルギーになるといったメリットがあり、近年は生活習慣病の予防や運動時の栄養補給、さらには脳の栄養源としても注目されている成分です。
さらに、必須脂肪酸オメガ3(α-リノレン酸、DHA,EPA)も豊富に含まれ、安価なコスト、風味がないこと、長い品質保持期間といった特性があり人気のキャリアオイルとなっているようです。

他のキャリアオイルにも健康上のメリットがあるものが使用されており、例えばオリーブオイルは必須脂肪酸のオメガ9を豊富に含み心臓病のリスクを減らしてくれるという効果があります。
単独ではなく、数種のキャリアオイルをブレンドしている商品もあるので自分の目的にあったものを選んでいくといいでしょう。

4.カンナビノイドで選ぶ(アントラージュ効果)

大麻草には、カンナビノド類、テルペン類、フラボノイド類、フェノール類などを含めて500種類以上のさまざまな化合物が含まれています。
カンナビノイド類に属する化合物は炭素数21の化合物の総称で、104種類の植物性カンナビノイドが存在し、CBD,THCはその一つに属しています。

他のカンナビノイド、テルペン類が含まれた製品は「フルスペクトル」と呼ばれます。
そして、この様々なカンナビノイドやテルペンがもたらす恩恵を「アントラージュ効果」といい、CBDオイルを選択する上でも大切な要素となってきます。
アントラージュとは、フランス語で「側近、取り巻き、環境」という意味になります。
まり、アントラージュ効果とは、カンナビノイド類、テルペン類、ほかの有効成分(フラボノイド、フェノール等々)が連携することで相乗効果を発揮することをいいます。

ヘンプには、約180種類のテルペン類が存在しますが、ミルセンβカリオフィレンという成分が特に重要となります。
ミルセンには、血液脳関門の抵抗力を抑制することで、CBDや化学物質がスムーズに通過・吸収されるように補助する効果が、βカリオフィレンはカンナビノイドCB2受容体を活性化することでカンナビノイドの作用を高めてくれる効果があります。

主なテルペン成分とその効果
・ミルセン・・・強力な鎮痛作用を示すものから睡眠補助などに
・リモネン・・・細菌や真菌の増殖を抑制する効果や、うつ病や不安症の症状を緩和させる作用。
・ビネン・・・抗炎症作用があり、抗生物質としての効果をもたらすこともあります。また、記憶の強化に。
・リナロール・・・ラベンダーの香りの主成分で、強い鎮静作用や殺菌・鎮痛作用があります。
・βカリオフィレン・・・抗酸化作用や抗炎症作用。CB2受容体に直接作用する唯一のテルペン。
・フムレン・・・抗炎症作用、抗菌作用、鎮痛作用に加え、食欲を抑制する作用。ダイエットに。

CBDは、1日の摂取容量を増える程効果が右上がりに反応し、ピークを超えると反対に低下するといった特徴があるので、ただ増やせば効果が高まるというものではないようです。
そのため、どのくらいが適量かというのは一概に決められないため、CBD単一の製品で満足できないという場合はフルスペクトル製品を試してみるといいでしょう。

アントラージュ効果のある製品を探す場合は、「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」「テンプル配合」という表記のものをみつけるといいでしょう。

アントラージュ効果のある製品の見極め方
ルスペクトラム(Full Spectrum)という表記があるCBD製品
・・・ヘンプに含まれるCBD以外のカンナビノイドの成分も一緒に抽出された製品。

ブロードスペクトラムという表記があるCBD製品
・・・抽出したCBDにその他のカンナビノイドやテルペンを後から加えたもの。

テルペン配合という表記があるCBD製品

「アイソレート」という商品はCBDのみ抽出した製品でアントラージュ効果はありません。

ヘンプオイル(ヘンプシードオイル)とは ~CBDオイルとヘンプオイルの違い~

CBDオイルを探していると間違いやすいのがヘンプオイル。
ヘンプオイルのことについても知っておくと、購入するとき戸惑うことはないでしょう。

ヘンプオイルの製造方法

CBDオイルがヘンプの様々な部分から抽出されてできるのに対し、ヘンプの種子(シード)のみを原料として抽出したオイルが「ヘンプオイル(またはヘンプシードオイル」です。
また、「カンナビスシードオイル」「カンナビスサティバシードオイル」と表記される場合もあります。
一般的にヘンプオイルとして販売されているものにはCBDはほとんど含まれていませんが、品種改良を重ねた特定品種にCBDが多く含まれているものもあります。
CBDオイルはアンプルと呼ばれる1滴ずつ滴下できる小さ目の容器で販売されているものが多く、ヘンプオイルは大きめのボトルで販売されていることが多いため、容器のサイズで見当がつくかと思います。
ヘンプオイルとCBDオイルの大きな違いの一つに、ヘンプオイルは豊富に含まれる栄養素があるのが特徴です。


具体的な栄養素としては、必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸(リノール酸)やオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸、DHA,EPA)、ビタミン(A,C,E)やミネラル(リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、硫黄、カルシウム、鉄、亜鉛、銅)といった成分もバランス良く含まれています。

ヘンプオイルの使い方

ヘンプオイルも基本は「経口摂取」になります。
CBDオイルは数滴ずつスポイトで垂らして使うのに対し、ヘンプオイルはサラダドレッシングやオリーブオイルのようにサラダやピザなどにかけて食べるのが一般的です。
ただし、加熱すると酸化してしまうためできあがった料理にかける必要があります。
また、肌の保湿剤や美容オイル、ジャンプ―としても使われるので肌に塗る、髪を洗うといった使い方もあります。

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