脂質⑥コレステロールの働きと引き起す症状

栄養基礎

はじめに

「コレステロール」という言葉は、テレビや身体検査のときによく耳にするのでご存知の方は多いかと思います。
実際に「コレステロールとは何?」と聞かれるとなかなか答えにくいのではないでしょうか?
うつ病になると運動不足になりがちで、その結果コレステロールが問題になりがちの傾向になります。
そこで、今回はコレステロールについての情報をまとめてみました。

前の記事へ

コレステロールとは

身体の中には、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸、コレステロールといった4種類の脂質が存在しています。
脂質というとイメージが悪いですが、健康を保つ上では重要な役割があるので体内に適度に維持しておく必要があります。
(遊離脂肪酸とは、脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が分解されてできる脂肪です。
20 分程度の運動をすると、脂肪細胞から排出され、エネルギーとして消費されます。 )

コレステロールが発見されたのは1784年のことで、歴史的には結構古くから知られている存在です。
誘導脂質のステロイド類のなかのステロールと呼ばれるサブグループに属する有機化合物の一種。

コレステロールや中性脂肪は、悪者にされがちです。
しかし、髪や皮膚を滑らかにし、細胞膜やホルモン、脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸を形成するための物質として使われるもので健康維持には必要なものです。
コレステロールが不足すると、肌や髪はぱさぱさになったり、細菌に感染しやすくなるばかりでなく、血管の細胞が弱くなって脳内出血などが起こりやすくなります。

HDL(善玉コレステロール),LDL(悪玉コレステロール)とは

コレステロールはアセチル-CoAを原料として主に肝細胞の小胞体や細胞質でつくられますが、他に、小腸、副腎皮質、皮膚、大動脈、精巣においても合成されます。
約7割が肝臓で合成され、あとの3割は全身のあらゆる細胞で合成されたものと、食事由来のものになります。
脂質であるため、そのままの状態では水分の多い血液の中に溶け込むことができません。
そのため、血液と馴染みやすいタンパク質に包まれて血液中を流れていきます。
このたんぱく質に包まれた状態を「リポタンパク」といいます。
リポタンパクの状態でコレステロールは血流に乗って全身への運搬が可能になります。
リポタンパクはその大きさと重さによって4種類に大別されます。

リポたんぱくの大きさ (軽い順に)  
カイロミクロン(カイロマイクロン)
超低比重リポタンパク(VLDL)
この二つは主に中性脂肪を運ぶ
低比重リポタンパク(LDL)
高比重リポタンパク(HDL) 
この二つは主にコレステロールを運ぶ

コレステロールの運搬に関わるのがLDL,HDLのことで、LDLを悪玉コレステロールHDLを善玉コレステロールと呼んでいます。
悪玉コレステロール、善玉コレステロールとよく呼んでいますが、コレステロール自身のことではありません。

LDL(悪玉)は、コレステロールを全身に運ぶ働きがあります。
しかし、使わないコレステロールを組織においてきてしまい、置かれたコレステロールが酸化LDLとして血管の壁などに溜まってしまうことがあります。
その結果、動脈が詰まって脳卒中、心筋梗塞などを引き起こしてしまうために、LDLは悪玉のように扱われてしまうのです。
一方HDL(善玉)は、蓄積した酸化LDLを引き抜き、コレステロールを肝臓に戻して動脈硬化を予防してくれる働きがあるため善玉と呼ばれています。

HDL(善玉),LDL(悪玉)どちらも大切な働きがあるのですが、善・悪という通称が使われるようになったため、また余分なLDLコレステロールが血液中にたまり、それが酸化すると動脈硬化を促すので良くないイメージがあるのだと考えられます。
肝臓に運ばれたコレステロールの一部は、胆汁酸となって小腸に排泄され、脂肪の消化・吸収を促進します。そしてほとんどの胆汁酸は肝臓に戻って再利用され、一部は便として排泄されていきます。

コレステロールが引き起こす症状 ~動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞~

LDL,HDL共に運搬と回収という役割をもっているため、血液の中では一定量にバランスが保たれた状態です。
血液中のLDLが多すぎる場合、HDLが少なすぎる場合、中性脂肪が多すぎる場合に「脂質異常症」と診断されます。
脂質異常症と関連し、コレステロール値が極端に高いと動脈硬化の原因となっていきます。
コレステロールが多くなると、血管内膜にコレステロールが沈着した泡沫(ほうまつ)細胞が集まり、ドロドロしたおかゆのような塊(アテローム)ができてきます。
アテロームがどんどんたまって血管の内壁が盛り上がると、血液が通る隙間が狭くなります。
さらにカルシウムがたまって石灰化することで、血管の弾力性が失われ、もろく破れやすい状態になっていくのが動脈硬化です。
血管が傷つけられると血管修復のために血小板が集まり傷を防ぎますが、やがて剥がれて血栓となり血液の中を漂います。
血栓が、厚くなった動脈壁に到達すると、細くなった動脈を通り抜けることができずに血管を詰まらせてしまい、これが心筋梗塞や脳梗塞を引き起していきます。
脳や心臓など太い動脈で起こる動脈硬化を「粥状(じゅくじょう)動脈硬化(アテローム硬化)」といいます。
逆にコレステロールが低ければいいかというとそうでもなく、少なすぎるとガンや肺炎、脳卒中になる要因になるといわれています。

コレステロールを溜めすぎないようにするには

脂質異常症などを受けたときは専門医の指示を受ける必要があります。
そうならないためにも

・「食生活をバランスよくとり正す」
1日のエネルギー摂取量を適切にし、栄養バランスのとれた食事を。
・「適度な運動を行なう」
少し汗ばむくらいの運動を毎日長期間継続して行う。
・「禁煙する」
喫煙は動脈硬化を高めると言われているため喫煙はなるべくやめるようにしましょう。

など、日頃の生活習慣を改善することが第一です。

栄養素を学んでトラウマケアへ

ブレインアシスト
「Natural Selfcare Program」
Topへ戻る

新感覚・劇的に脳が蘇る
トラウマ・ストレスヒーリング!

脳をヒーリングして「こころ」と「からだ」
のトラウマをケア

 

タイトルとURLをコピーしました