摂食に関わる体内・脳内物質④ ~セロトニンと砂糖依存症~

トラウマケア
Sugar vector set isolated on background.

はじめに

摂食に関わる体内物質について、今回は「セロトニン」について取り上げます。

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セロトニンの作用

「セロトニン」は機能的にみると大きく二つの面をもっています。
一つは脳内では神経伝達物質としてドーパミン、ノルアドレナリン分泌のバランスをとって「精神を安定させる役割」をもっており、うつ病、精神疾患などの投薬療法に用いられていることで良く知られています。
もう一つは、満腹感を与え、「食欲を抑制する作用」です。
精神面と食欲抑制面の2つの面をもっているため、セロトニンが減少すると精神面が乱れて食欲抑制が効かなくなり過食になるとも考えられています。

セロトニンと砂糖依存

身体が疲れた時や、イライラしているとき、ストレスを感じているときに
「甘いものを摂ると落ち着く」
という人も多いのではないでしょうか?
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも言われています。
砂糖を摂ることで脳内にセロトニンが増え、「幸せを感じる」と脳が反応しているものと考えられています。
しかし、「砂糖」の摂りすぎも健康や精神面への危険が叫ばれています。

砂糖依存症

砂糖はぶどう糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が繋がった2糖類といわれる炭水化物(糖質)です。
白米、パン類はぶどう糖が数珠のように繋がった多糖類と呼ばれる炭水化物です。
砂糖は小腸でシュクラーゼという酵素によってぶどう糖と果糖に分解され吸収され、果糖の大部分は肝臓でぶどう糖に変換されていきます。

ぶどう糖が血液中に入ると、全身をめぐり、しだいに血糖値(ぶどう糖濃度)が上昇していきます。
糖の中でも砂糖は分子が小さいため、体内でぶどう糖に分解されやすく吸収されやすいので、空腹な状態で砂糖を摂ると血糖値が急激に上昇していきます。
血糖値の上昇率を示すGI値も砂糖は110と一番高い値です。(ごはん、パンなどの多糖類系は数珠つなぎになってサイズが大きく吸収されにくく、分解に時間がかかるため砂糖に比べると比較的ゆっくりな上昇傾向を示します。)
血糖値が急激にあがると、身体がびっくりして、血糖値を下げる働きのあるインスリンが一気に分泌され、低血糖状態が引き起こされます。
低血糖になると、脳は
「エネルギーが不足し、お腹が空いている」
と勘違いして、血糖値をあげるようにするため、空腹を感じるようになります。

さらに、砂糖は幸せを感じさせるセロトニンも分泌されるので、何度も空腹状態から甘いもの(ぶどう糖)を頻繁にとると、脳はこれが快感になってクセになっていき、やがて「砂糖依存症」になっていくものと考えられています。
本来、セロトニンは食欲を抑制する働きがあるものが、砂糖にだけは幸せに感じさせてしまうので、抑性機能が働きにくいということでしょう。。(セロトニンも可愛いおにゃのこには甘くなるというところですね)

砂糖依存症になると引き起される症状

砂糖依存症に陥ってくると、精神面や健康状態にも影響してきます。
砂糖は、エネルギー源となるぶどう糖に変換され代謝作用が無駄に働くため、代謝によく利用される、ビタミンやミネラル類がどんどんと消費されていきます。
砂糖は、ミネラルやビタミンなどを含まないので、体内の栄養分が減っていくことになります。

特に、代謝を行いエネルギーを作る上で最も必要な栄養素がビタミンB1です。
砂糖はビタミンB1を含まないため、砂糖の過剰摂取でビタミンB1が不足すると疲労物質の乳酸が増えるために疲れやすくなり、めまい、ふらつき、また、興奮したり落ち込んだりと軽いうつ状態におちいり易くなります。
(ビタミンB1不足で問題になったのが、白米を摂りだして起った「脚気」という日本の黒歴史が有名です。)
ミネラルやビタミンが不足すると、代謝が上手く機能しなくならなくなるため、エネルギー不足に陥るばかりか、セロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質の生成にも利用されるため、精神面の不安定要因にもなっていくということになります。

本来のトラウマ的なうつ病はショックな出来事で突然起こるもので栄養不足が原因ではないのですが、過労などによるものは栄養不足的なものではないかと思われます。(うつはうつでも全く別物で後者は栄養を摂ればだいたい回復します。前者は栄養だけでは治りません。最近は、前者で薬漬けにされて人生台無しにされるケースが多いので注意が必要です。

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また、インスリン分泌が起ると、ぶどう糖が中性脂肪に変換されていくので、インスリン分泌を誘発しやすい砂糖は肥満の原因やダイエット失敗の原因にもなります。
さらに、過剰にインスリン分泌が繰り返されると、しだいにインスリン作用が効かなくなる「インスリン抵抗性」が起こり、血糖値を抑えることが効かなくなって糖尿病やメタボリック症候群を発症し、心臓発作のリスクが増大していく危険性があります。

砂糖依存症の症状
 ・甘いものを食べないと落ち着かず、イライラする。
 ・ストレスを感じると甘い物が無性に食べたくなる。
 ・チョコ、アメを持ち歩き、甘い物を食べている。
 ・妙に疲れやすく、甘いものをたべると元気になる。
 ・短時間労働で、めまい、立ちくらみを感じる。

栄養療法でうつ病克服しました!という人は、「うつ病」ではなく、ビタミンB1欠乏症ではないかと思われます。

ビタミンB1欠乏症、低血糖症の症状
頭痛がする
集中力がない
落ち込みやすい
怒りっぽい
手足が冷える
朝起きるのが辛い

女性が甘いものが好きな理由

女性は甘いものが好きな傾向が知られていますが、これもセロトニンが関係しているともいわれています。
女性は男性に比較するとセロトニンの脳内合成が少ないため、情緒不安定になりやすいとも考えられています。
特に生理前(PMS/PMDD)になると体調不調が起こりやすく、セロトニンの受け取りを阻害する物質がでるため、その傾向が顕著になるとも言われています。
そのため、少しのストレスでキレやすくなったりして甘い物を中心とした過食へと走る行動が男性よりも強くでる傾向があるようです。
そういった点から、セロトニンの分泌を高めるSSRI(セロトニン再取り込阻害薬)といった抗鬱薬が有効と言われていますが、副作用がでたり、長期服用で薬を止めたとたんに症状が悪化する離脱症候群に苦しむことがあるので向精神薬は頼らないほうが賢明です。(離脱症状がでると断薬が難しくなります)

甘いものの欲求を抑えるには

セロトニンが不足すると、特に甘いものへの欲求が強くなると言われています。
甘いものを食べたくてどうしようになくなるときは、セロトニンを分泌していくことやその源となる栄養源もきらさないようにしていくことも大切です。

セロトニンを出す、ストレスを発散する

セロトニンの分泌は、脳幹部にある「縫線核(ほうせんかく)」から分泌されます。
ココを刺激することでセロトニンの分泌を促すことができるようになります。
その手法として、「呼吸」でコントロールすることも可能です。
(やり方はNatural Selfcare Programで紹介しています。)
このやり方を継続していくと、副交感神経も高まり、セロトニン分泌も促されるので呼吸をするだけでも精神面が安定し、集中力も維持できるようになります。
その他、有酸素運動をしたり、天気の良い日は外にでて気晴らしすることもセロトニンを分泌し効果的です。

ビタミン、ミネラルを摂っておく

糖分を多くとり、運動をよくする人はエネルギーを生み出す代謝のために、ビタミン、ミネラルが消費されて不足になりがちです。特に、ビタミンB1不足にならないように気を付ける必要があります。

セロトニンは、アミノ酸のトリプトファン、ビタミン,ナイアシン(ビタミンB3),ビタミンB6、葉酸(ビタミンB9)、鉄分といったビタミン、ミネラルを必要とします。
特にビタミンCや葉酸は造血にかかわる栄養素なので、出血の多い女性は不足になりがちになるため、結果セロトニン不足になることも。
そうならないためにも、トリプトファンの多く含まれる肉、魚、大豆などとともにマルチビタミン、ミネラル系のサプリメントを利用してみるものいいでしょう。
(野菜にはトリプトファンはあまり含まれていません)

砂糖の代替品を利用する

あまり我慢するのもストレスになるので、「どうしても甘い物が食べたい!」ときは、砂糖の代替品を利用してみてはいかがでしょうか?
エリスリトール、アルロース(プシコース)、ステビオサイド(ステビア)といった希少糖は、ぶどう糖を含まず、血糖値上昇を抑え、カロリーも0なので糖尿病、ダイエット用甘味料として利用されています。

ブレインアシスト
「Natural Selfcare Program」
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