摂食障害と関係?摂食に関わる体内・脳内物質③ ~ヒスタミン~

トラウマケア
Katsuobushi in a wooden box.

はじめに

摂食に関わる体内物質について、今回は「ヒスタミン」について取り上げます。

前回の記事

ヒスタミンとは

ヒスタミンは、神経伝達物質の一種で、脳内では睡眠・覚醒、摂食行動をはじめとする様々な生理機能に関与しています。
ヒスタミンは食品から摂ると、体内でのヒスタミン濃度が過剰になると食中毒を起こすことでも知られています。
(ヒスタミン中毒)
そのため、食品内のヒスタミンから直接摂ることは好ましくなく、「カツオ(かつお節)、マグロ」といった赤身魚に豊富に含まれるヒスタミンの前駆体アミノ酸「ヒスチジン」から摂るのが良いとされています。


ヒスタミンの働き
・覚醒作用
・学習向上機能(記憶の想起、頭の回転力を高める)
・摂食抑性作用
・内臓脂肪脂肪燃焼

ヒスタミンの摂食作用 ~咀嚼との関係~

ヒスタミンは中枢神経系で神経伝達物質として機能する生体アミンであり、ヒスタミン神経系はこれまでに睡眠覚醒や摂食行動をはじめとする種々の生理機能に関与していることが示されている。摂食行動については、ヒスタミンは脳内のH_1受容体を介して摂食抑制を起こすと考えられているが、詳細な機構については未だ不明である。レプチンは白色脂肪細胞から放出される食欲制御物質であり、視床下部に存在するレプチン受容体を介して摂食抑制とエネルギー消費の増大を引き起こすことが知られている。

ヒスタミンはヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)によって、必須アミノ酸ヒスチジンから合成され自律神経中枢、摂食中枢でもある「視床下部」後部に存在するヒスタミン神経系に作用します。

ヒスタミン分泌は食欲を抑制する作用として働きますが、分泌には「咀嚼(そしゃく)」と密接な関係があります。
時間をかけてよく噛むと、中脳にある「咀嚼中枢」が刺激され、視床下部からヒスタミンが分泌されて「満腹中枢」、交感神経を刺激します。
交感神経が刺激されることで、脂肪を燃焼するよう働きかけるため、噛むことで内臓脂肪の減少にも役立ちます。
通常、食事中の食欲抑性作用は体内の脂肪細胞から分泌された「レプチン」が視床下部に摂食抑性を促すことで行われますが、咀嚼によってヒスタミンが増えても、「レプチン」の分泌が促進されるため、過剰な摂食が抑えられます。

噛むことのメリット
・摂食抑性のヒスタミンが分泌され過食を抑える
・内臓脂肪燃焼

早食いは肥満のもと

「早食いは肥満のもと」という言葉をよく聞きます。
実際、「早食いの人ほどゆっくり食べる人に比べると、体重が平均5kg以上重い」
という結果が国立健康・栄養研究所などの研究グループが全国の女子大生を対象に実施した調査で明らかにしています。

その理由は一つに、早食いの人では咀嚼回数が少ないため、脳内ヒスタミン分泌が少なく、満腹中枢の刺激が十分でないため、満腹感を感じられず過食になりやすいことや、交感神経も刺激されないので、内臓脂肪が燃焼されず脂肪減少効率が悪いことがあげられます。

理由の2つ目は、血糖値上昇との関わりです。
通常、食事を摂ると血糖値が上昇して満腹中枢が刺激され、食事を摂りたいという欲求が抑えられます。
早食いの人だと、血糖値上昇の満腹感が得られる前に食べ物を多く食べてしまうため、過剰に摂取してしまうとも考えられています。

早食いが肥満の元になる理由
1.咀嚼回数が少ないためヒスタミン分泌が促されない。
2.満腹感を感じる血糖値上昇前に、多く食べてしまう。

咀嚼回数を増やすことが過食抑性に

以上より、咀嚼回数を増やすだけでも過食を抑えられ、脂肪燃焼効果も高まるのでよく噛み、ゆっくり食べることも肥満防止に繋がることが理解できます。
また、栄養状態をみても、咀嚼に問題がある人は、唾液の分泌も少ないせいかビタミン、ミネラルといった栄養摂取量にも問題があるようです。
その他、咀嚼には多くの健康メリットがありますが、食後に90%以上の歯科医専用キシリトールガムを噛むと虫歯予防にもなり良いと言われています。

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