脂質③ダイエット、肥満防止として注目!短鎖・中鎖脂肪酸の特徴

栄養基礎

はじめに


食品中に含まれる動物性由来の飽和脂肪酸の多くは長鎖脂肪酸が占め、これが肥満の原因に繋がることが指摘されてきました。
今回は、近年太りにくい脂肪として注目され利用が増えてきている小鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸についての内容になります。

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短鎖、中鎖脂肪酸とは

短鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸の炭素数が7個以下、中鎖脂肪酸は8~12個のサイズの小さいものを指します。
分子数が少ない分、小さな脂肪酸であり体内に吸収されやすいといった特徴をもちます。
食品中に含まれる脂肪酸の大半はパルミチン酸、ステアリン酸といった長鎖脂肪酸で、小鎖、中鎖脂肪酸は比較的食品から得にくい脂肪酸で、意識して摂っていく必要があります。

短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸の特徴

長鎖脂肪酸の場合は、長さが長い分大きなエネルギーを持っていますが、完全に体内でエネルギーとして消費されず残りやすい特徴があります。
余ってしまったものは体脂肪として蓄積されていくため、これが続くと肥満や生活習慣病になるリスクが高くなっていきます。
一方、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸の場合は、短い分ほとんどが消費されてしまうので体脂肪として残らず肥満防止やダイエットに適した脂肪酸となります。

また、脂肪酸の長さは体内での吸収効率にも影響してきます。
長鎖脂肪酸は腸内で胆汁と混合した後リンパ管に入り、血液を通して巡回します。
脂肪酸がエネルギーに変換される場所は細胞内のミトコンドリア内ですが、ここで酸素と反応して二酸化炭素と水に分解されることでエネルギーとして放出されます。
長鎖脂肪酸がミトコンドリアまで辿りつくには、細胞内でカルニチンと結合する必要があります。
このように、長鎖脂肪酸が吸収されていくにはいくつかのプロセスや条件が必要となるのでなかなか消化されないのです。

一方、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸の場合は、腸から血管まで直通で通り抜けることができ、細胞内でもカルニチンと結合する必要もないので、これが体内での消化、吸収効率を高めている理由となります。
長鎖脂肪酸は、体内になかなか消化されず漂っている状態が続きますが、中鎖脂肪酸は、すぐ肝臓まで到達して分解され、10時間で体内からほとんどなくなります。

短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸の特徴
・体内で吸収されやすい
・分解速度がはやく脂肪として体内に残らない。
そのため太りにくく、生活習慣病予防となり、ダイエットにも適した脂肪酸といえます。

短鎖脂肪酸の働き

短鎖脂肪酸と大腸との関わり

消化器官の腸は小腸と大腸にわけられます。
細胞が生きていくためには人同様に、エネルギー源となる栄養素が供給されていなければ死んでしまいますが、小腸と大腸でエネルギーの供給のされかたが異なっています。
小腸の細胞には、血液を通してエネルギーとなる栄養素が供給されています。
一方、大腸の細胞が消費するエネルギー源は、約70%が単鎖脂肪酸を摂取して使われています。
食べたものが大腸の中で分解されてできた短鎖脂肪酸が、そのまま大腸の栄養素として利用されているのです。
余った短鎖脂肪酸は、体内に取り込まれ、体内のエネルギーとして利用されます。
また、酢酸やプロピオン酸、酪酸のような炭素数が少ないものは酸性傾向が強いため、腸内のPHを下げることで腸内が腐敗しないよう微生物の繁殖を防いでくれる働きをしてくれます。
短鎖脂肪酸は大腸の餌のような存在で、大腸の働きを整えるには必要不可欠なの物質なのです。

腸内で短鎖脂肪酸を増やすには

単純に短鎖脂肪酸を食品から摂取すればいいのか?と考えがちですが、そうでもありません。
例えば、お酢(酢酸)は短鎖脂肪酸の一種ですが、ほとんどが小腸で吸収され大腸まで届かないのであまり効果が期待できません。
また、残念なことに短鎖脂肪酸をふくむ食品は、牛乳と乳製品くらいしかありません。
多く含まれる牛乳でさえ短鎖脂肪酸の量は数パーセント程度なので、適した食材があまりないのです。

ビフィズス菌などの有益な腸内細菌は、オリゴ糖や食物繊維を発酵して、短鎖脂肪酸を作ります。
そのため、おなかの中でビフィズス菌などの有益な腸内細菌を増やせば、短鎖脂肪酸が増加し、腸からからだを元気にしてくれることになります。
さらに、腸の働きと脳の働きはリンクしているため、頭の働きも活性化されていきます。

腸内で短鎖脂肪酸を増やしていく有効な方法といえばシンバイオティクスがあります。



また、水溶性食物繊維は、大腸まで消化されずに到達し、腸内細菌の働きによって分解・発酵され、人体に大変有益な栄養素、短鎖脂肪酸の材料になります。

発酵させる力のあるビフィズス菌などを積極的に摂ることも有効ですが、ビフィズス菌にもいろいろ種類があり、胃や腸を通過する際に胃酸や胆汁酸に負けてしまうビフィズス菌もあるため、きちんと大腸まで届くものを選択する必要があります。
グリコ開発の「ビフィズス菌BifiX」はおなかで良く増え、短鎖脂肪酸を増やす力も強いことがわかっています。

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