お茶の有効成分カテキン、テアニンの違い
カテキンは、テアニンが光合成によってできるものです。
その違いについてまとめてみました。
カテキンとは ~渋み成分~
カテキンは、ポリフェノールのフラボノイド系(イソフラボン、アントシアニン等)の一種です。
カテキンの語源は、インド産のアカシア・カチュー樹液からとれるcatechu(カテキュー)に由来しています。
1929年に理化学研究所の辻村みちよ博士らによって、緑茶にカテキンが存在することが明らかにされました。
茶葉の中には4種類(エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキンガレート(EGCG))のカテキンが存在しています。
中でも、エピガロカテキンガレートは緑茶のみに含まれ、紅茶、ウーロン茶には含まれません。
この物質の持つ抗酸化力は、ビタミンCの約90倍、ビタミンEの約23倍であるとも言われ、様々な疾患への治療薬としての期待が高まっています。
カテキンそのものはとても渋い味がするのですが、緑茶の他成分(テアニン、カフェイン)と融合しながら渋みが緩和されています。
玉露、抹茶のような光合成が抑えられた栽培では、カテキンが抑えられテアニンの量が相対的に多くなるので、甘みが強い緑茶になります。
カテキンの効果
カテキンは幅広い効用がある成分で、緑茶を飲まない人に比較すると、死亡率、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患が低下する傾向があるという報告があります。
特にカテキンは菌へ吸着する作用があり、口の中では虫歯菌にくっついて増殖を抑え、口臭をおさえ、ウィルスに吸着して体内への侵入を防いでくれます。
腸の中では、悪玉菌に付着して善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)を増やし、腸内環境を整える効果もあります。
また、フラボノイド特有の強い抗酸化作用もあるため、活性酸素の発生を抑え老化を防いでくれます。
・ダイエット効果(脂肪燃焼を促進)
・美肌、アンチエイジング(抗酸化作用)
・炎症を抑える(抗炎症作用)
・抗ウィルス、虫歯予防(菌吸着)
・肝臓を保護
・血圧を抑える
・血糖値上昇を抑える
・腸内環境を改善する
・長寿命
テアニン ~甘味・うまみ成分~
テアニンは、ポリフェノールのカテキンと異なり、アミノ酸の一種です。
お茶に含まれるアミノ酸にはグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンなどのアミノ酸が含まれていますが半分以上はテアニンになります。
テアニンは茶の根で合成されるお茶の甘味(うまみ)成分。
葉に溜まって日光が当たる光合成により
テアニン(甘味)⇒エチルアミン⇒カテキン(渋み)
へと変化し渋みが増していきます。
テアニンは遮光を行いながら栽培する玉露、緑茶などに多く含まれますが、その原料となる茶葉を碾茶(てんちゃ)といいます。
緑茶のテアニン量
テアニンの量(mg) | |
抹茶 | 36 |
玉露 | 34 |
煎茶 | 10 |
番茶 | 3 |
テアニンの効果
テアニンにはリラックス作用があり、ストレス緩和や睡眠の質を改善する効果なども期待できることから注目されています。
テアニン入りの水溶液を摂取後、40分くらいすると脳波にリラックス状態を表すα波がでて、副交感神経の活性度が増すという研究結果もあります。
緑茶には覚醒作用のカフェインが含まれていますが、テアニンはカフェインの興奮を抑え緩やかな作用にする働きがあるようです。
テアニンには、快楽系のドーパミン、鎮静系GABAを増やし、記憶や学習に重要な脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やすといった薬理作用も報告されています。
さらに、動物実験では、テアニンが脳神経細胞の障害を軽減し、神経細胞を保護することもわかってきており、脳の働きを高め認知症予防としても期待されています。。
・リラックス作用
・睡眠改善
・抗ストレス
・PMS
・神経細胞保護作用
・血圧上昇抑制
・認知症予防(BDNF促進)