トラウマ、感情と関わる神経伝達物質 ~覚醒・摂食・ワーキングメモリ、ダイエットに関わるヒスタミン~

神経伝達物質

ヒスタミンとは

ヒスタミンの発見は、1907年に化学的に合成されたものが最初で、1927年の後になって哺乳類に含まれることが明らかにされた物質です。
赤身魚に多く含まれるヒスチジン由来のアミンという意味からヒスタミンと名付けられました。

体内では肥満細胞に貯蔵されていますが、血駅中に過剰にヒスタミンが分泌されると、アレルギー症状を引き起すことでよく知られています。
一方、脳内では神経伝達物質として働き、音や光などの外部刺激および情動、空腹、体温上昇といった内部刺激などによっても放出が促進され、オキシトシン分泌、覚醒状態の維持、食行動の抑制、作業記憶能力(ワーキングメモリ)に関わっています。
近年では、食欲を抑制し脂肪燃焼効果があることからダイエット効果としても注目されています。

ヒスタミンのもたらす効果

脳内(神経伝達物質としての働き)

ヒスタミンは、脳の中では視床下部で作られて神経伝達物質として働き、覚醒作用や摂食抑性、記憶力に関わります。

覚醒作用  ~シャキッと眠気をさます~

ヒスタミンは眠気を抑え、覚醒をもたらす神経伝達物質の一つ。(他:ノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリン、オレキシンなど)
視床下部後部のヒスタミン神経細胞群で合成された後、大脳皮質で放出されて、神経細胞のシナプス前膜に局在するH3型ヒスタミン受容体に作用して覚醒をもたらします。
ヒスタミン睡眠導入剤(抗ヒスタミン剤)は、この覚醒作用を抑制することにより睡眠を促す薬です。

作業記憶(ワーキングメモリ)を高める ~頭の回転をよくする~

マウスと人の試験で、ヒスタミン神経系を刺激する薬物を投与すると、嗅周皮質の神経細胞が活性化され、忘れてしまった記憶をスムーズにしワーキングメモリを高めることが報告されています。
もともと記憶成績が悪い人ほど薬の効果が大きく認められたことから、認知症改善、発達障害に期待されています。

摂食行動の抑制コントロール ~満腹中枢を刺激し過食を防ぎダイエット~

肥満の一番大きな要因は過食です。
視床下部には食欲をコントロールする満腹中枢がありますが、満腹中枢に存在するヒスタミンニューロンがヒスタミンによって刺激されることで満腹感を感じ、摂食行動を抑制する働きがあります。
さらに、肥満細胞から食欲を抑制するホルモン「レプチン」の分泌も促されるため過剰な摂食が抑えられます。

内臓脂肪を燃焼 ~生活習慣病予防~

満腹中枢は交感神経中枢であるため、ヒスタミンの分泌により満腹中枢が刺激されると内臓脂肪の燃焼が起こるため肥満防止、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の予防に働きます。

体内での作用

普段は細胞内の顆粒に貯蔵されており、外部刺激により細胞外へ一過的に放出されます。
ヒスタミンは、外傷や薬などの外部からの刺激に応じて血管を拡張する働きがあり、血圧低下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用、アレルギー反応や炎症の発現時に介入します。
体内にヒスタミンが過剰に分泌されると、アレルギー疾患の原因となります。

ヒスタミン中毒

ヒスタミンが高濃度(100mg以上)に蓄積された食品(主に魚介類や加工品)を食べることで、顔面、口周囲、耳たぶが赤くなったり、じんましん、頭痛、嘔吐、下痢といったアレルギー様食中毒を1時間以内に引き起こすことがあります。
これは、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温で放置するといった不適切な管理をすることで、食品中にヒスタミン産生菌が繁殖しヒスタミンが生成されるためと考えられています。
一度できたヒスタミンは熱にも安定であるので、調理しても食中毒を防ぐことはできません。

ヒスタミンは、脳の中で増えると好ましい作用を示しますが、体内で増えすぎるとアレルギー症状を引き起すなど好ましくない症状の出方をします。

ヒスタミンの出来方

ヒスタミンは、赤身魚に多く含まれる必須アミノ酸ヒスチジンを材料として生成されます。
摂取したヒスチジンの多くは、身体を構成するタンパク質の材料となりますが、使用されなかったヒスチジンは、血液脳関門を通過し脳内へと入っていきます。
脳内の視床下部には、ヒスチジンをヒスタミンに変換する酵素(ヒスチジンカルボキシラーゼ)が多く分布しており、視床下部に到達したヒスチジンは酵素と反応してヒスタミンに変換されるものと考えられています。
脳内でヒスタミンとなったものは、ヒスタミン神経に伝達物質として存在しますが、肥満細胞、グリア細胞、血管内皮細胞にも存在しています。

ヒスタミンは脳血液関門は通過しないため、外からヒスタミンを摂取しても脳内には入っていく事はありません。
そのため、過剰にヒスタミンを外から摂取すると体内ヒスタミン濃度が高まりアレルギー症状を引き起すことになります。

ヒスタミンと精神障害の関係 ~向精神薬の作用、摂食、PMS~

向精神薬と過食

向精神薬の中には、過度の空腹感を感じ過食に走らせる副作用がでるものもあります。
そのメカニズムは十分解明されているわけではありませんが、考えられている理由の一つはヒスタミン受容体の1種であるH1受容体を阻害することで、満腹中枢を刺激するヒスタミン分泌が抑えられることによって起こっていることが分かっています。
満腹中枢への刺激がなくなると、胃から産生される摂食促進ペプチドホルモン「グレリン」の分泌が促進されます。
グレリンには脂肪利用抑性作用や、脳下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を促し、視床下部に作用して食欲を増進させるため、その結果、体重を増加させる誘因となります。

抗うつ薬のNaSSA(リフレックス、レメロン)の副作用に過眠、過食が強くでることがよく知られていますが、これも抗ヒスタミン作用によるものです。
また、花粉症、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬でも同様な副作用があるため、過食、眠気に注意する必要があります。

PMS(生理前症候群)と過食

強いストレスの蓄積は、セロトニン、ヒスタミン分泌を低下させると言われています。
特に女性の場合は、黄体期後期になるとセロトニン分泌が低下するため、この時期に強いストレスがかかるとセロトニン、ヒスタミン欠乏に拍車をかけてしまうので精神状態を悪化させ、過食に走らせることもあります。

ヒスタミンを増やすには ~過食、肥満防止でダイエット、眠気を覚ます、記憶を呼び戻す~

脳内ヒスタミンを増やすと、過食を防いでダイエット効果や、頭の覚醒度を高めて回転を良くする効果に繋がります。
ただし、直接ヒスタミンを摂取すると中毒になるので注意が必要です。

食事からヒスチジンを摂取する

参考:消費者庁

食事から摂る場合は、ヒスタミン自体を摂取すると食中毒を起こす可能性が高くなるため、その前駆体のヒスチジンが多く含まれる食品を選ぶ必要があります。
ヒスチジンが多く含まれる食品は「カツオ、マグロ」といった赤身魚の他に、牛肉、鶏肉、ハム、チェダーチーズ、ドライミルクがあります。

咀嚼回数を増やす

咀嚼回数とヒスタミン分泌量との間には相関があることが知られています。
そのメカニズムは、咀嚼を行うと中脳にある咀嚼中枢から視床下部に信号が伝わり、ヒスタミンの分泌が促されるためです。
その結果、満腹中枢が刺激されるため摂食抑性にも繋がる事になります。
さらに、交感神経が刺激されて肥満細胞から食欲を抑制するホルモン「レプチン」の分泌が促されるため過剰な摂食が抑えられます。
また、ヒスタミンの覚醒レベルおよび睡眠調節機能に関係があるため、咀嚼することで覚醒作用が高まり眠気も抑えられることになります。

ヒスチジンサプリメントを利用

サプリメントでも、ヒスチジンサプリメントが販売されています。
食事の量を減らし、ダイエットしたい方は試してみては?

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