アセチルコリンとは
アセチルコリンは1914年に発見され、後に「神経伝達物質」の発見のきっかけとなったコリンの酢酸エステル化合物です。
中枢神経系である脳の中では神経伝達物質として働き、記憶や認知機能にも関わっています。
アルツハイマー型認知症は、アセチルコリンの低下が原因の一つとも考えられています。
体内の末梢神経系アセチルコリンは、体内の運動神経から放出されて筋肉の収縮を促進したり、副交感神経を刺激し、脈拍を遅くしたり唾液を促す作用を行います。
アセチルコリンのもたらす効果 ~副交感神経、学習効率UP~
アセチルコリンは、中枢神経(脳)で働く場合と抹消神経で働く場合で作用が異なります。
中枢神経では、主に学習機能に関わっています。
アセチルコリンの分泌量は、学習中に増加して学習後に維持され学習機能に関わることが明らかにされています。
また、脳波で深いリラクゼーション状態に関わるシータ波をつくりだしてシナプスを活性化し、集中力、クリエイティビティ―性、ひらめき力を高めてくれます。
パーキンソン病者では、脳内アセチルコリンが過剰、アルツハイマー型認知症では逆に不足している傾向がみられるようです。
一方体内の末梢神経で働くアセチルコリンは、運動神経の筋収縮に作用や、自律神経系の副交感神経を高める作用として働きます。
脳内(中枢神経) | 体内(末梢神経) | |
適度な分泌量 | ・学習機能、認知機能 ・クリエイティブ性、ひらめきを高める ・シナプスを活性化 ・リラックス脳波Θ波(シータ波)を発生 |
・運動神経の筋収縮に作用する。 ・自律神経で副交感神経を高める。 |
過剰 | パーキンソン病 | ・痙攣発作 ・瞳孔縮瞳 ・唾液が多量分泌 |
不足 | アルツハイマー型認知症 認知障害 |
・力が出ない ・体を早く動かせない |
中枢神経(脳内)でのアセチルコリンの出来方
食品に含まれるアセチルコリンは、体内に入っても脳関門に入ることができません。
脳内のアセチルコリンは、「コリン」と「アセチルCoA(アセチルコエンザイム)」の反応によって生成されます。
「コリン」は体内で生成されない物質で、食品から摂る必要があります。
コリンは大豆、卵黄、レバーに多く含まれる栄養素で、ビタミンのように働くことから「ビタミン様物質」とも呼ばれます。
代謝、細胞膜の生成など生命活動に重要な役割を果たすとされ、アメリカでは必須栄養素となっており、サプリメントや食品への栄養素含有の強調表示が認められています。
「アセチルCoA」は、摂取したグルコースから細胞呼吸の過程から生成される物質です。
代謝に利用される以外にも、中性脂肪の材料として利用されます。
「コリン」と「アセチルCoA」がコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)という酵素の作用によってアセチルコリンが作られます。
作りすぎたアセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)によって分解され、コリンと酢酸になって速やかに分解、除去されます。
なお、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)はビタミンB12を補酵素として活性化します。
脳の中では、大脳基底核や大脳皮質に多く分布しています。
また食品から摂取したアセチルコリンも、交感神経を鎮め血圧降下作用があるため、高血圧予防、抗ストレスに効果的です。
アセチルコリンを増やす方法
脳内のアセチルコリンを高めることは、Θ波をでやすくして集中力を高め、学習能力を高めるといったメリットが得られます。
作業性を高めるためにも、普段からアセチルコリンの分泌低下を招かないように気を付けておきたいところですね。
昼寝をする
ちょっとした仮眠をしただけなのに頭がすっきりしたという経験はないでしょうか?
うたたね(催眠状態)あるいは瞑想、睡眠状態のときにアセチルコリンの分泌が促進されるため、仮眠のあとは頭が活性化され作業性が効率的になるからです。
昼休みの食事後に、軽い睡眠(10~30分)をとると午後の仕事や授業も集中力がUPします。
リラックスする
アセチルコリンは午後から夜の時間帯に多く分泌されます。
夜のお風呂、寝るときは分泌が促されるのでヨガ、瞑想などリラックスする時間をつくりましょう。
食品からとる(レシチン)
アセチルコリンを増やすには、食品に含まれる「コリン」を摂取すると効果的です。
特に、レシチンに含まれる「フォスフォチジルコリン」はアセチルコリンの成分としてだけでなく、脳を活性化し学習能力を高めてくれます。
また、そのとき酵素の働きを高めるビタミン12を一緒に摂ると効果的です。
レシチンで増やす
ナスでリラックス
食品中に含まれるアセチルコリンも、交感神経を鎮めリラックス作用、抗ストレス作用として気分を落ち着かせる効果があります。
特に、ナスにはコリンエステル(アセチルコリン)が普通の食品の約1000倍含まれており、リラックス効果や高血圧予防として期待できます。
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