必須アミノ酸と非必須アミノ酸

栄養基礎

非必須アミノ酸

グリシン(Gly)  非必須アミノ酸 ~美肌、睡眠改善に~

体内ではセリンやスレオニンからつくられますが、多くの食品に含まれる甘味成分として知られています。
コラーゲン中の約30%を占め、肌のハリと弾力を保つ役割を持ちます。
脊椎や脳幹に多く存在し、中枢神経でGABAに次ぐ抑制系の神経伝達物質としても働きます。
質の高い睡眠用にサプリも販売されています。

働き
・質の高い眠りへの睡眠改善
放熱を促して体内温度を下げ、自然な眠りに誘導する効果があります。
・美肌効果
・赤血球の材料
・抗酸化作用
抗酸化作用によりアンチエイジング、高血圧、脳卒中予防として働きます。

グリシンを多く含む食べ物
魚介類(エビ、ホタテ、イカ、蟹、カジキマグロ、うに)牛スジ、類鶏軟骨、豚足
過剰摂取することはないと考えられていますが、欠乏すると不眠症になる可能性があります。
また、コラーゲンを合成する重要な成分であるため、関節痛や、肌荒れを引き起こします。

アラニン(Ala)  非必須アミノ酸 ~運動エネルギーを高める~

アラニンは甘味をもち、ほとんどすべてのタンパク質に存在するアミノ酸で、グルタミン酸とピルビン酸からつくられます。
運動時のグルコース(ぶどう糖)を生成するため、長時間の運動に必要となる成分です。
また、アルコールの分解に効果的な成分でもあります。

働き
・肝機能を改善する効果
肝機能の保護や、アルコール分解に効果的な成分
・スキンケア効果
アラニンは肌の角質に存在し、肌の水分を保ちます。
・運動エネルギーを生み出す
肝臓に貯蔵されたグリコーゲンからグルコースをつくりだし、血液中に放出されることによって血糖値の維持に働きます。

アラニンを多く含む食べ物
肉類(牛や豚のレバー、鶏肉)、魚介類(しじみ、あさり、かに、海苔)

セリン(Ser) 非必須アミノ酸  ~集中力を高める~

セリンは体内でグリシン、グルタミンなどからつくられる非必須アミノ酸。
シルクのプロテインから発見された非必須アミノ酸の一種です。
セリンは、脳を構成する神経細胞の材料となるため脳にとって重要な成分になります。
また、美肌を保つ効果や睡眠を改善する効果もあります。

働き
・美肌効果
セリンは肌の角質層に最も多く存在し、肌の潤いを保つ効果があります
・アルツハイマー病予防
セリンは、記憶向上に関わるホスファチジルセリンを生成し、認知症やアルツハイマー病の進行を抑制する効果があります。
・睡眠改善
神経系において重要な働きをするため、良質な睡眠をもたらす効果があります。
牛乳には質の良い眠りをもたらすと言われるのは、セリンが豊富に含まれているためです。

セリンを多く含む食べ物
牛乳、豆類(大豆、高野豆腐)、魚介類(かつお節、海苔、いくら)
セリンは過剰に摂取しても、蓄積されることはないといわれています。
セリンが不足すると、肌荒れやしわの原因となります

チロシン(Tyr)  非必須アミノ酸 ~ドーパミン、ノルアドレナリン原料~

チロシンは必須アミノ酸フェニルアラニンからつくられ、ドーパミン、ノルアドレナリンになり鬱的症状の改善に繋がります。
チロシンは非必須アミノ酸ですが、フェニルアラニンを摂るよりも効率的になります。
また、代謝や自律神経の調整を行う甲状腺ホルモンや髪の毛、皮膚の黒色色素であるメラニンの材料となります。

働き
・うつ症状を改善、集中力を高める
ドーパミン、ノルアドレナリンを生成し意欲をたかめます。
・ストレスを和らげる
神経伝達物質を生成することで脳の働きを活発にし、慢性疲労症候群を改善する効果があります。
・白髪予防
体内でメラニン色素を生成することで黒髪を形成し、白髪を予防します。

チロシンを多く含む食べ物
魚介類(マグロ、かつお節、たらこ、すじこ、ちりめんじゃこ)、豆類(大豆、高野豆腐、ゆば)、乳製品(脱脂粉乳、チーズ、脱脂粉乳)、アーモンド

システイン 非必須アミノ酸  ~美肌、色白効果~

システインは硫黄を含み、からだの中のタンパク質は立体の形をしていることが重要な意味を持ちますが、その立体構造を保つのに大切な役割をしているのがシステインです。
タウリンや、エネルギーをつくるのに大切な補酵素CoAの成分にもなります。
※サプリを利用すると白髪になるという口コミもあるので、ビオチンも一緒に摂ると良いようです。

働き
・肝臓の解毒作用
・タンパク質の立体構造に関与
・タウリン、エネルギーをつくる補酵素CoA(コエンザイム)の成分
・美肌効果
皮膚のメラニン色素の生成を抑え、しみ、日焼け、そばかすを防ぎます。
・アルコールを処理する作用
アルコール脱水素酵素、アセトアルデヒド脱水素酵素を活性化しアルコールの分解に作用。

しステインを多く含む食べ物
肉類(特にレバー)、魚類、鶏卵、野菜ではにんにく、たまねぎ、ブロッコリー、芽キャベツなどに含まれる。 ヒトの体内ではメチオニンからシスタチオニンに変換され、その後システインとなる。 

アスパラギン(Asn)

アスパラガスから世界で初めて発見された非必須アミノ酸。
乳酸の生成を抑制し疲労回復や毒素のアンモニアを排出、中枢神経を保護する働きがあります。
また、神経伝達物質、筋肉の元となるタンパク質の合成材料として使われます。

働き
・運動時の持久力を向上させる
体内でエネルギーを生み出すクエン酸回路に働きかけ、エネルギーの代謝を促進。乳酸の生成を抑制し、疲労回復に働きかけます
・尿の排出を促進する
尿の合成を促進し、有害なアンモニアを外に排出する効果があります。
・丈夫な体をつくる
筋肉や内臓をつくるたんぱく質合成に使われます。

アスパラギンを多く含む食べ物
肉類、大豆、牛乳、じゃがいも

アスパラギン酸(Asp) 非必須アミノ酸  ~疲労回復に~

利尿作用があり、有害なアンモニアを体外へ排出し、中枢神経系を保護します。
またカリウムやマグネシウムを細胞内に運び、疲労物質である乳酸をエネルギーに変える手助けをするため、疲労回復にも効果があります。
中枢神経で働く興奮系の神経伝達物質でもあり、大脳皮質や小脳、脊髄に存在しています。
また、うま味を持つアミノ酸として様々な食品に含まれています。

働き
・代謝促進、疲労回復効果
K,Mgを細胞内に運んでクエン酸回路に働きかけ、疲労のもととなる乳酸の分解を促進します。
・アンモニアの解毒作用
尿の合成を促進する効果があり、有毒なアンモニアを体外へ排出します。
・スキンケア効果
肌の新陳代謝を促進し、保湿をする効果があります。
・アラニンの原料

アスパラギン酸を多く含む食べ物
アスパラガス、大豆もやし、サトウキビ、肉類(牛肉、鶏肉、豚肉など)

グルタミン(Gln)  非必須アミノ酸 ~筋肉強化、運動後の疲労回復に~

グルタミンはグルタミン酸とアンモニアからつくられる非必須アミノ酸です。
また、グルタミンとアンモニア、ナイアシンによってグルタミン酸を生成します。
体に最も多く含まれるアミノ酸で、人間の骨格筋の約6割を占めます。
筋肉を強化したり、筋肉疲労を回復する効果があります。
人体に豊富に含まれますが、ストレスなどで消費し足りなくなる場合もあるため準必須アミノ酸とも呼ばれます。

働き
・小腸の働きをサポート
グルタミンは腸にあるじゅう毛の栄養源となるため、腸を修復し働きをサポートします。
・免疫力を高める効果
ウイルスや細菌などの、異物から体を守ってくれる免疫機能を高める効果があります。
・筋肉の強化
筋肉の分解を抑制するため、筋肉の維持に効果があります。

グルタミンを多く含む食べ物
肉類、魚類、豆類、乳製品、卵、海藻、小麦粉、トマト

グルタミン酸(Glu)  非必須アミノ酸  ~学習能力を高める~

グルタミン酸は、小麦グルテンから発見されたアミノ酸で、うま味物質として調味料などに活用されています。
アンモニアを解毒し、尿の排出を促進する効果や神経伝達物質として脳の機能を活性化する効果があります。
また、リラックス成分であるGABA(ギャバ)を生成します。
※強迫性障害、統合失調症者ではグルタミン酸の濃度が高めの傾向があると言われています。

働き
・アンモニアの解毒作用
アンモニアを捉えて、グルタミンを生成しアンモニアを無毒化します。
・学習効果を高める
脳内で神経伝達物質として働き、脳を活性化し学習能力を高めます。
・美肌効果
・GABAの生成

グルタミン酸を多く含む食べ物
海藻(昆布)、白菜、緑茶、鰯、トマトなど
普通に摂取していれば特に不足することはありません。過剰になると麻痺を起こすことが動物実験で確認されています。

プロリン(Pro)  非必須アミノ酸  ~肌のつや、ハリに~

体内でグルタミン酸などから生成されます。
コラーゲンの主要材料の一つで、コラーゲン修復作用として利用されます。

働き
・コラーゲンの材料、角質層修復
コラーゲンの修復作用により、関節痛の改善、美肌効果を高めてくれます。
・脂肪燃焼

プロリンを多く含む食べ物
豚肉、ゼリー、マシュマロ、ゆば、高野豆腐など 

栄養素を学んでトラウマケアへ

ブレインアシスト
「Natural Selfcare Program」
Topへ戻る

新感覚・劇的に脳が蘇る
トラウマ・ストレスヒーリング!

脳をヒーリングして「こころ」と「からだ」
のトラウマをケア

 

タイトルとURLをコピーしました