炭水化物①炭水化物とは

栄養基礎

炭水化物とは

炭水化物は、タンパク質、脂質とならぶ人体を構成することに不可欠な三大栄養素の一つです。
炭水化物は良く知られているように、ご飯、パン、麺類といった主食に多く含まれる成分で、「デンプン」がよく知られていますが、分子構造上ぶどう糖(グルコース)、果糖(フルクトース)といった単糖という基本単位の分子がいくつか繋がって構成されているものを総称して炭水化物といいます。

炭水化物には大きく分けると、体内に吸収されて主要なエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分類されます。
栄養学上、炭水化物の語を用いる場合は主に「糖質」を指します
食物繊維はかつては摂るに足らない存在として扱われてきましたが、その整腸作用などが見直されて「5大栄養素」に続く「6大栄養素」として重要な栄養素となっています。

炭水化物の分子構造と分類

炭水化物は、糖質、食物繊維に分類されますが、分子構造によっても分類されています。
まずは、その分子構造からみていきましょう。

分子構造

炭水化物も基本はタンパク質、脂質同様に多くが炭素(C),酸素(O),水素(H)が集合してできた有機物の一種です。(>C=Oまたは-CHOを1つもち,2つ以上の-OHをもつ化合物を炭水化合物と定義)
タンパク質のアミノ酸がいくつも数珠つなぎになってできているのと同じように、最小単位分子の「単糖」がいくつも組み合わさってできてます。

単糖の最も代表的で、エネルギーとして使用されるのがD-グルコース(ぶどう糖)で、直鎖構造と環状構造をとるのが特徴です。
このぶどう糖が人の体内において基礎エネルギーとなる分子で、このような形状が結合していったものが炭水化物になります。

単糖の代表ぶどう糖(D-グルコース)の分子構造(2タイプ存在)炭水化物はこのような分子が繋がってできている。 

炭水化物の分類

単糖分子が一つのものを単糖類、2つ単糖類がくっついたものを二糖類、以後三糖類・・といいます。
くっついた分子の数により下記のように分類されています。
オリゴ糖の場合は定義があいまいで、二糖類を含む場合と含まないと考える場合があります。

単糖類:1分子
少糖類:2~10分子単糖類が結合したもの(二糖類、オリゴ糖3(あるいは2)~10個)
多糖類:11分子以上単糖類が結合したもの

特に、単糖類と、少糖類を糖質の中でも「糖類」といいます。
三糖以上の消化酵素で分解されない多糖類は「食物繊維」と定義されています。

炭水化物の特徴

これまでの通り、炭水化物は糖質、食物繊維と分類されます。
それぞれの特徴をみていきましょう。

糖質、オリゴ糖

生命のエネルギー源

糖質は摂取するとぶどう糖に分解されて主要なエネルギーとなりますが、1gあたり約4Kcalのエネルギー産出します。
食品の中には、米、トウモロコシ、小麦、大麦などに多く含まれ、その多くは「でんぷん」の形で存在し、体内に入ると唾液、膵液などによって、麦芽糖からぶどう糖(D-グルコース)の形に分解され、血液を通して全身の細胞に送られます。
血糖値は血液中のぶどう糖濃度を計測しているため、炭水化物を摂ると血糖値が上昇します。
血糖値が高くなるとインスリンによって血糖値の上昇が抑えられ、エネルギーとして消費されなかったぶどう糖は、肝臓によってグリコーゲンや中性脂肪に変換されて体内に貯蔵されます。
炭水化物を過剰摂取すると中性脂肪が増えていくため、その結果肥満や体内脂肪の原因となっていきます。
また、反対に空腹になって血糖値が低くなってくると、グルカゴンといったいくつかのホルモンによって血糖値が上がります。
このように、体内では血糖値がある一定範囲内(80~140m/dl)に保たれています。

しかし、インスリンの分泌量が上手く調整できなくなり血糖値が高くなりすぎてしまうのが糖尿病です。
糖質の摂りすぎは、肥満や糖尿病を招いてしまう大きな要因でもあるため、中高年では体内でぶどう糖が増えすぎないよう食事や運動でコントロールをしていくことが大切になってくる栄養素です。
また、エネルギー源としてだけでなく、疲労回復や体温の維持にも役立ちます。

糖質が多く含まれる食品
・主食(ご飯、パン、麺類、小麦類)
・イモ類(じゃがいも、サツマイモ、里芋、山芋など)
・菓子類
・甘味料(
・合成甘味料(ダイエット食品、糖質ゼロ、ノンシュガー)
・糖アルコール(ソルビトール、キシリトール、エリスリトール)
・清涼飲料水

オリゴ糖

オリゴ糖は単糖が3~10個連なったものの総称です。
中でも腸内で消化されずに、大腸に届いて善玉菌の餌となって増やしてくれたり、血糖値の抑制、低カロリーである機能をもったオリゴ糖が注目されています。
これを「難溶用オリゴ糖」といいます。
人に有益な効果をもたらす難消化性食品成分のことをプレバイオティクスといいます。

全ての腸内細菌が全てのオリゴ糖を利用できるというわけではありません。
オリゴ糖は、ビフィズス菌増殖研究の中から発見されたものであるように、基本的にビフィズス菌は他の菌種に比べ多種類のオリゴ糖を利用することができます
代表的なオリゴ糖には下記のようなものがあり、大腸においてビフィズス菌の餌になりやすいとされています。

腸内を整えてくれるオリゴ糖
・イソマルトオリゴ糖
・フラクトオリゴ糖
・ガラクトオリゴ糖
・キシロオリゴ糖

食物繊維

穀類、野菜、果物、穀物、海藻、キノコ、豆類などの植物性食品に多く含まれます。
1日の食事から摂る食物繊維の目標量は、18~69歳で1日当たり男性20g以上、女性18g以上となっていますが、現代日本人は目標量が足りていないようです。
食物繊維は、「水溶性食物繊維」、「不溶性食物繊維」に分けられ、それぞれ異なった形で腸の働きをよくしてくれます。

水溶性食物繊維

糖質やコレステロールの吸収を妨げ、血清コレステロールや血糖の急上昇を抑える作用があります。

不溶性食物繊維

腸の働きを刺激して、腸内に発生した有害物質の排出を促します。

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